「トヨタアンゴラアカデミー」閉講式の開催

2023.09.20

アンゴラの公的職業訓練校における自動車整備分野の指導員を養成する受託事業「自動車整備人材育成プロジェクト」(通称:トヨタアンゴラアカデミー)が3年間の協力期間を終え、8月2日、アンゴラの首都ルアンダ郊外にあるプロジェクトサイトの雇用・職業訓練庁カゼンガ職業訓練センターで閉講式典が開催されました。

本プロジェクトは、豊田通商株式会社のグループ会社であるCFAO Motors Angola社*からの委託を受けて実施したもので、JICAにおける民間法人からの受託業務は、南米チリに次いで二例目、アフリカでは初の事例です。

「トヨタアンゴラアカデミー」では、言語(ポルトガル語)の親和性から、JICAが長年にわたり職業訓練分野で協力を実施してきたブラジルの全国工業職業訓練機関(SENAI)と連携し、SENAIの指導員を専門家としてアンゴラに派遣することや、アンゴラ人指導員をSENAIの研修員としてブラジルで受入れること等が行われました。同時に、CFAO Motors Angola社からも技術者の派遣や機材供与という形で協力をいただき、これらを通じて合計19名のアンゴラ人指導員が養成されました。

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指導員による参加者への施設説明

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トヨタ・デ・アンゴラアカデミー受講指導員とSENAI専門家、雇用・職業訓練庁関係者

閉講式には、行政・雇用・社会保障省副大臣、ルアンダ州副知事、雇用・職業訓練庁長官、鈴木駐アンゴラ大使、CFAOアンゴラ社会長、ブラジルSENAI代表者を含め約150名が出席。行政・雇用・社会保障省副大臣からは、関係者の尽力と日本の質の高い協力への謝意が表され、今後は本プロジェクトの成果を活かし、アンゴラ側が主体となって産業多角化、人材育成、雇用創出等の政策実施に取り組む決意が述べられました。

門脇JICAアンゴラ事務所長は、トヨタアンゴラアカデミーの成果が今後もアンゴラの産業多角化や産業人材育成に貢献することを期待し、引き続き、アンゴラにおける人材育成への協力に継続して取り組む意志を表明しました。また、本プロジェクトは、政府機関と民間法人の「公民連携」という点でも、日本とアンゴラ、第三国協力先であるブラジル、さらに相互訪問して職業訓練機関同士で技術交換を行ったモザンビークという4か国の「多国間連携」という点でも、とても有意義なプロジェクトであったと強調しました。

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行政・雇用・社会保障省副大臣の挨拶

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JICAアンゴラ事務所長の挨拶

CFAOアンゴラ社会長、ブラジルSENAI代表者からは、本プロジェクトの活動内容の説明が行われたほか、対象となったアンゴラ人指導員が真摯に取り組んだ結果、19名全員が、ブラジルSENAIが認証する自動車整備指導員の資格を取得できたこと等の成果報告がありました。

閉講式の最後には、第2期課程を同日に修了した11名に対して、行政・雇用・社会保障省副大臣をはじめとする主な関係者から修了証書が手渡され、その後、機材の引き渡し式が行われました。

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鈴木大使から指導員へ修了証書授与

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CFAO会長から副大臣への機材の引き渡し

トヨタアンゴラアカデミーとしての主要な活動は本閉講式をもって終了となりますが、プロジェクトを通じて育成された自動車整備指導員が、今後、アンゴラの公的職業訓練校において自動車整備士の育成に取り組み、そうして輩出された自動車整備士たちが、アンゴラの安全な車社会の実現に貢献することを期待します。

JICAはこれからも、職業訓練を含む教育分野において、アンゴラの多層的な人材育成に資する協力を継続していきます。

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