ブルキナファソ国「国内避難民生計向上調査」における生計向上活動
2024.01.19
JICAは、国内避難民の多い地域(中央北部州のブスマ及びコルシモロコミューンにおける国内避難民を受け入れるホストコミュニティ( 4サイト))にて、開発の担い手であるナショナルボランティア(行政サービスの実施を支えるブルキナファソ人のボランティア)を通して、人々の生計向上に資する活動を、2023年3月から2024年2月まで実施しています。
活動対象村における生産・販売実績
活動村 | 受益者内訳 | 耕作面積 | 主要作物 | 販売収入・使途 |
---|---|---|---|---|
ブスマコミューン ハンウィ村 |
30名(女性10名、男性20名) | 10 ha | タマネギ・唐辛子 | 次シーズンの種子・肥料購入 食費、子供の学校教育費、衣服代、その他の家計費等への充填 |
コルシモロコミューン サブリ・ナテンガ村 |
52名(女性50名、男性2名) | 10 ha | インゲン、トマト、タマネギ | 学校教育、健康支出、移動手段、食費、家族の維持費、衣服費 |
コルシモロコミューン コウペラ村 |
43名(女性42名、男性1名) | 2.5 → 5.5 ha |
インゲン・トマト・オクラ・タマネギ | 売上を貯蓄し、9ヵ月後に集めた/貯めた金額の10分の1をメンバーに分配、受益者が支出を賄う。 |
コルシモロコミューン コムテンガ村 |
30名(女性25名、男性5名) | 3ha | キビ・トウモロコシ・豆類・タマネギ | 家族の食費、家族の健康、子供たちの就学に関わる様々な費用、個人的な支出、交通手段、家畜 |
苗床整備の様子
タマネギ収穫の様子
対象農家グループでは、市場志向型農業振興(SHEP)アプローチにより収入確保と生産コストの削減、種子・肥料の計画的な入手、生産多様化の実現、学費支払いや食料の確保、といった効果が確認されています。
また、アイディアの共有を通じたコミュニティ内の理解促進、グループの結束力強化といった変化が確認されました。
SHEPアプローチ活動を通じた変化
活動村 | グループメンバーにおける生計・支出の変化 | 獲得技術・知識 | 社会的結束 |
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ブスマコミューン ハンウィ村 |
受益者の学校教育・食糧不足の問題の解消 食料、健康、社会的条件の面での改善 |
・苗床設置土地の選び方 ・露地栽培と保全技術 |
SHEPグループはナショナルボランティアに信頼を寄せ(様々な活動が調整され生計が向上していることによる)コミュニティ全体が一体感と社会的な結束力を感じている。 |
コルシモロコミューン サブリ・ナテンガ村 |
学費への充填が可能になった。以前は自家消費分も不足していたが、現在は食料生産・販売による現金収入確保が可能 | ・栽培暦の作成方法、市場の調査・研究方法、農産物の販売方法 ・潜在的な買い手を特定し、販売面で有利な時期に合わせて生産計画を立てることで、販売が容易になった。 |
グループは家族のような結束で結ばれ、健康上の問題や社会的な出来事があれば一丸となってメンバーを支援し、畑仕事や収穫が難しいメンバーには全員が力を合わせて援助している。 |
コルシモロコミューン コウペラ村 |
収入向上。堆肥の作成による肥料代節減・生産コスト削減。 | ・野菜生産に最適な施肥 ・作物別の適切・適時の施肥 ・栽培・病害虫対策技術 |
エコサントイレの掃除で集まる際、SHEPのテーマについて話し合い、意見を交換する機会が生まれ、メンバー間の絆や理解、共同活動を促進している。 |
コルシモロコミューン コムテンガ村 |
生産面は問題なし。販売に収穫後の保管の課題有。 | - | 以前から結束はあったが、SHEPアプローチの活動により強化された。 |
エコサントイレから肥料を抽出する様子
露地栽培の様子
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