エクアドルで感じた多様性の豊かさ

2024年2月20日

2022年度7次隊 波多野愛子
所属:インタグ川コーヒー伝統農法生産者協会
職種:マーケティング

背景

配属先のインタグ川コーヒー伝統農法生産者協会(NGO)は、周辺地域に住むコーヒー農家の生活状況の改善および所得向上を目的として、1988年に創立されました。現在は次のミッションとビジョンのもと、活動を行なっています。ミッションは「アラビカコーヒーの生産と商品化、経済的に有益な活動、持続可能な環境活動を行う」、ビジョンは「コーヒーバリューチェーンの強化を通じて、周辺地域住民の収入増加および生活水準の向上を実現する」です。事業内容は会員農家から買い取ったパーチメントコーヒーの加工、販売、栽培指導などです。配属先のコーヒー豆は栽培管理、収穫、選別、品質管理が適正になされ、欠点豆の混入が極めて少ないです。そして、豊富な知識を持つ焙煎士によって焙煎された豆は香り高く、素晴らしい風味を持ちます。このように配属先の商品は一定のレベルに達しており、国内外のさらなる販路拡大を望んでいますが、マーケティング活動を十分に行っておらず、既存顧客に依存している状況でした。新規顧客獲得のための広報活動に関しては、SNSを時折更新しているくらいで関心度は低く、2015年頃に国際的NGOの協力によって作成されたホームページは作成当初から更新されていませんでした。

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目標

上記のような背景から、職員と共に“商品が売れる仕組み”を構築していく中で、生産から販売までのバリューチェーンが強化され、配属先のマーケティング能力が向上した結果、新規顧客が獲得されることを目標としました。

活動の介入内容

そこで、私は以下の活動を一緒に行うことにしました。

活動の介入結果

約2年間の活動をとおして、デジタルカタログの制作、SNSの運営方法の見直し、ホームページのリニューアルを行いました。また、パッケージデザインのリニューアルについては厚生労働省(ARCSA)の条件を満たすパッケージデザインへと変更しましました。それ以外にも、マーケティング分析に向けたデータ収集および整理、各イベントの招待状制作、イベント用展示パネル制作、道路及び施設に設置する大型看板のデザイン、収穫から一杯のコーヒーになるまでの一連の流れがわかるプロモーションビデオの作成など様々なことに貢献できたと思います。
また、マーケティングとは直接関係ないですが、苗床での作業補助をしたり、コーヒー農園を訪問したり、各イベントへの同行各種ワークショップに参加(コーヒー焙煎、カッピング、コーヒー栽培)させてもらったりと、配属先と二人三脚で活動することができました。

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JICAボランティアとしての学び

エクアドルでの生活が始まって間もない頃、日本では当たり前に出来ていた事が簡単にできなくて、まるで幼い子どもに戻ったような気分でした。たくさんの人に助けてもらい、色んなことを教えていただきました。そんな中で、肌の色や目の色、話す言葉や育ってきた環境が違っても、私たちは理解し合えることを知りました。優しさや人を思いやる心に国籍は関係ありません。エクアドルでいただいたものを私なりの方法で少しずつ返していきたいです。