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グアテマラ共和国は北海道と四国を合わせた面積とほぼ同じ広さに約1千7百万人が暮らす中米北部に位置する国です。北はメキシコ、ベリーズ、東はホンジュラス、エルサルバドルと国境を接しています。首都グアテマラ市は標高約1千5百メートルの高原地帯に位置し年間を通じて涼しい「常春の街」と呼ばれ、その南の方角には3千メートル級の火山が複数そびえています。国土の北部は自然豊かで広大な熱帯雨林が広がり、世界遺産に登録されているティカルを始めマヤ文明の都市遺跡群も残っています。グアテマラのもう一つの魅力は人々の民族的・文化的多様性です。先住民が人口の4割以上を占め、スペイン語の他にマヤ系言語など合わせて24もの言語が公用語に定められ、地方を中心に人々の日常会話の中で使われています。

日本とは、伝統的に友好な外交関係を有しています。自動車やアニメなどを通じて、日本の技術力や文化に関心を持つ方々が多いです。日本政府とは1954年に外交関係再開、1977年には技術協力協定を締結。1984年からJICAは「人」を通じた技術協力の基本的な形態である研修員受入事業を開始し、2022年度までで累計2千7百名以上もの研修員を受け入れています。海外協力隊は1989年度から2022年度までで累計800名以上派遣されています。

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グアテマラは90年代長きにわたり内戦が続いた不幸な歴史がありますが、1996年の和平合意成立以降、その和平プロセスは着実に進められ、近年政治・経済も安定しています。新型コロナの影響で一時経済が落ち込んだものの、2021年のGDP成長率は4%へ回復、2022年も4%台を維持しています。順調な経済成長を達成する一方、貧困層は人口の5割、先住民の間では7割以上に上り、固定化されてしまった経済的格差や深刻な貧困が大きな課題となっています。貧困地域を中心に健康、教育、ジェンダー、暴力や治安の問題に加え、1997年のハリケーン・ミッチ、2018年のフエゴ火山噴火など、日本と同様に自然災害のリスクにも晒されている国です。

このような開発課題を踏まえ、JICAでは貧困地域の社会・経済開発と環境・防災を重点分野として、保健・衛生、教育、農村開発、行政能力強化、市民安全、環境・防災等へ技術協力と資金協力を展開しています。新型コロナ流行によって一時期途絶えていた人の往来は回復しつつあります。JICA専門家や海外協力隊、そしてグアテマラ人研修員の日本への渡航も再開し、「人」を通じた技術協力と学び合いが活発に行われるようになってきました。JICAのミッションである「人間の安全保障」と「質の高い成長」を目指し、この地でもすべての人々の命・暮らし・尊厳が守られる社会システム作りに貢献するため、今後ともグアテマラのあらゆる関係者と共に事務所一丸となって協力事業に取り組んでまいります。

2023年7月
JICAグアテマラ事務所長
久保倉 健

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