海洋水産省のカラワン養殖事業センター(西ジャワ州)で本邦技術である屋内エビ養殖技術を用いた実証事業を開始!~西ジャワ州知事補佐官(経済・開発担当)がサイト訪問~

2023.08.29

2023年8月28日西ジャワ州知事補佐官(経済・開発担当)であり元西ジャワ州開発計画局長のDr. Ir. Mohammad Taufiq Budi Santoso, M.Soc.Scが、現在JICAが実施中の屋内エビ養殖の実証事業サイトを訪問しました。この実証事業は、「西ジャワ州における漁業・農業振興に資する革新的な技術を用いた民間連携プロジェクト形成に向けた基礎調査」の中で実施されています。本事業は、西ジャワ州リドワン知事からの革新的技術を用いた農業・漁業の生産性向上に係る協力要請を踏まえ、同州と海洋水産省からの協力を得て2023年7月から開始しました。

今回の実証事業では、本邦で開発・導入された「屋内型エビ生産システム(ISPS)」のインドネシア国内に対する導入可能性を確認するために、エビの育成密度、水質、水温、えさなど諸条件の異なる水槽を複数用意し、エビ育成の最適な環境を調べます。加えて、本実証事業では民間事業としての初期的な実現可能性についても調査し、事業形成につなげることを目的としています。

実証現場を視察したDr. Taufiqは「今回実験的に導入した先進的な本邦技術はとても有用で興味深い技術であると考える。今回の実証事業の成果が、近い将来、西ジャワ州北部およびインドネシアのエビ養殖業振興と環境保護に繋がること期待している」とコメントされ、ISPSへの大きな期待を寄せました。

屋内型エビ生産システム(ISPS)は、水循環、造波装置、人工海藻などの技術を組み合わせたシステムであり、既に日本やいくつかの国でも導入されています。その特徴は、①常時育成に最適な環境を用意できることによる生産性向上、②抗生物質等の薬品を使用しないため安心・安全で高品質なエビの生産が可能になること、③外部環境の影響を受けない安定生産・供給が可能であること、④IoTを活用し維持管理を効率化でき、トレーサビリティが確保できること、⑤周辺地域の水域及び土壌汚染を起こさないことが挙げられます。

インドネシアは現在年間約71万トンのエビを生産しており、世界シェア7.1%で世界トップ5のエビ生産国となっておりますが、2024年までに更に年間200万トンに増やすことを目標としています。しかしながら、エビの養殖現場では管理・運営面で十分に整備されておらず、水質の悪化や病気の蔓延によるエビの死亡など、環境への影響や生産効率の面で課題が多い状況です。ISPSの革新的な技術を用いた事業の実現により、このような課題解決に貢献し、インドネシアにおける漁業振興に貢献することが期待されています。

磐田市にある屋内型エビ生産システム(ISPS)(出所:一般社団法人閉鎖循環式陸上養殖推進協議会)

磐田市にある屋内型エビ生産システム(ISPS)
(出所:一般社団法人閉鎖循環式陸上養殖推進協議会)

カラワン養殖事業センターに設置された実証用水槽(海洋水産省スタッフとJICA調査団)(出所:JICA調査団)

カラワン養殖事業センターに設置された実証用水槽(海洋水産省スタッフとJICA調査団)
(出所:JICA調査団)

実証現場を視察する西ジャワ州知事補佐官のDr. Taufiq (出所:JICA調査団)

実証現場を視察する西ジャワ州知事補佐官のDr. Taufiq
(出所:JICA調査団)

本件に関するインドネシア国内問合わせ先

本事業について

JICAインドネシア事務所担当 西郡
TEL: +62-21-5795-2112 (ex.608)
E-mail:Nishigori.Satoko2@jica.go.jp

広報について

JICA Indonesia事務所広報担当 プトリ
TEL: +62-21-5795-2112 (ex.222)
E-mail:putrisiahaan.in@jica.go.jp

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