ボランティアレポート「同僚の夢」

2023.12.28

名前:柿山知子
隊次:2022年度4次隊
職種:理学療法士
配属先:ドーワ県病院
出身地:千葉県四街道市

海外協力隊としてマラウイに来ておよそ8カ月、配属先に赴任してもうすぐ半年が経とうとしています。任地での暮らしにも慣れてきて、そのなかで自分がどうこの2年間を過ごしたら良いのか、過ごしたいのかが少しずつ見えてきたように感じています。

私の配属先は私を含めた計4人で日々のリハビリテーション業務にあたっています。私のカウンターパートである理学療法士1名、リハビリテーションテクニシャン1名、そしてホスピタルアテンダント1名が私の同僚たちです。

今回はその中の一人、ホスピタルアテンダントの同僚が持つ“夢”について少しお話させてもらいたいと思います。
この同僚、英語も堪能でとても真面目で働き者なのですが、子ども時代Secondary Schoolに通うことが叶いませんでした。本人に話を聞いてみると、マラウイでも比較的貧しいとされている村の出身で、大家族で育ち幼い妹や弟たちが沢山いたようです。そのような家庭環境において進学は諦めざるを得なかったと話をしてくれました。ですがそんな彼、Primary Schoolではクラスの代表を務めるほど優秀な学生だったそうで、学ぶことも大好きな少年でした。

そして現在はホスピタルアテンダントとして病院で働き、オフィスの清掃や物品管理、コーディネーター役など、私たちの部署にはなくてはならない存在です。

そんな彼は現在、大学に行くという目標を掲げ必死に努力をしています。そのためのSecondary School卒業試験を来年に控えているのです。そしてさらに、いつの日か日本に行くことを夢見ていると私に話してくれました。なぜ日本なのか?とも思いましたが、彼の友人が筑波大学に留学していたようで、彼自身もまた日本で学ぶことに憧れを抱いているとのことでした。

来年の国家試験に向け学校に通いながら勉学に励む彼をみて、「何か出来ないか?」と思った私は、ささやかではありますが日本語の教材をプレゼントすることにしました。と言っても当然私の手元にも教材らしきものは何もありませんので、日本の友人たちに家で眠っている辞書や教本を譲ってくれないか募りました。そして先日、無事集まった教材を彼にプレゼントすることができました。今はまだSecondary School卒業という関門に向け忙しい彼ですが、日本語を学びたいという意欲もかなり高いので、少しずつ私も力になれたらいいなと思っています。

そして彼のように意欲も能力もありながら家庭環境・経済状況によって教育の機会を失ってしまったマラウイの大人たちが、もう一度「学び直せる」社会になってほしいと心から願っています。もちろん全ての子どもたちに平等に教育の機会が訪れれば最善ですが、例えそれが難しくても、地道に努力を重ねればセカンドチャンス・サードチャンスを得られるような国になっていけばいいなと彼の姿をみて思いました。

そんな彼の前向きな姿に日々勇気づけられているとともに、これからも陰ながら応援し、微力でもサポートしていけたらと思っています。

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“夢”に向かって頑張る同僚と日本から送られた教材たち

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