ボランティアレポート 「ガーディアンシェルター」

2024.01.09

名 前: 澤地 栞莉
隊 次: 2022年度4次隊
職 種: 病院運営管理
配属先: ムチンジ県病院
出身地: 神奈川県

こんにちは。澤地栞莉と申します。病院運営管理という職種で、アドミニストレーターという、院内のインフラ整備や機材、資源などの調達や修繕依頼などを行う事務系の部署に配属されています。主な活動としては、県病院での5S活動の推進となります。今回は「ガーディアンシェルター」についてご紹介いたします。まず、マラウイの公共の医療機関は大まかに、中央病院、県病院、ヘルスセンター、ヘルスポストに分かれています。そしてガーディアンシェルターとは、遠方に住む出産前の妊婦さんや入院患者さんの家族が滞在する為の県庁管轄の公共施設であり、基本的には産科がある中央病院、県病院、ヘルスセンターに隣接して設立されています。日本と大きく異なる点として、医療行為以外の患者さんの身の回りのお世話は患者さんのご家族が全て行います。その為、入院患者さんには必ずご家族やその方に関係する方どなたかが必ず付き添うことになります。基本的にその付き添いを行うのは女性であり、ガーディアンシェルターには子ども以外では女性しかおりません。ちなみに私は最初に「ガーディアンシェルター」と聞いた際、ガーディアンのシェルター…屈強な警備の方々が滞在する施設だろうか?と思いましたが、「ガーディアン(Guardian)」とは保護者や後見人を意味しており、想像と全く違う場所が広がっていたので、良い英語の勉強にもなりました。私の所属する、ムチンジ県病院に併設されているガーディアンシェルターは宿泊場所が3棟、キッチンが1棟、トイレ、シャワールームで構成されており、常時100人以上の滞在者がいます。マラウイには医療機関がとても少なく、入院施設は首都や都市部を除き各県に1つの県病院しかありません。ヘルスセンターはいくつかの村に点在しており、出産の際には入院することが可能ですが医療設備が不十分の為、遠方の村に住んでいても県病院で出産する妊婦さんが少なくありません。無料で使用できることやマラウイの交通事情も相まって、遠方に住む方々にとっては医療機関にアクセスするための重要な施設となります。しかしながら、県の予算が少ないことから建物の改修改築が難しく生活するにはとても厳しい環境となっています。私がこのガーディアンシェルターという存在を知ったのは、アドミニストレーターが関わっている部署を訪問している時でした。マラウイの医療事情ならではの施設だと感じたと同時に、医療機関自体の機能を向上させることはもちろんとても重要であるけれど、そこに付随する施設の問題も大きいと認識しました。ガーディアンシェルターは私自身にとってもマラウイに来て実際に見ることがなければ関わることができなかった施設であり、情報も少ないので、このボランティアレポートを通じて少しでも認知度を向上できたらと考え、今回の題材と致しました。マラウイに来て8ヶ月が経ち、残り1年が見えてきた段階ではありますが、5S活動と並行して少しでもガーディアンシェルターの状況改善に貢献できたらと考えております。

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ピーナッツの殻剥きをするガーディアンたち

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キッチン

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宿泊スペース

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