マラウイボランティアレポート「任地での日々」

2023.05.23

名前:矢島 穂高
隊次:2021年度1次隊
職種:理科教育
配属先:ナリクレ教員養成大学付属中高等学校
出身地:静岡県静岡市

私は首都郊外のナリクレセカンダリースクールという四年制の中高等学校で活動を行っています。学校は普通制と定時制の2部で構成されています。私はその両方で3年生の化学と2年生の数学を教えています。一クラスは、40人程度が二クラスずつ、4学年あります。普通制は7時半から14時までで、定時制は14時から17時までになります。授業時間は一コマ40分で、基本的に授業間の休み時間はなく、10時ごろと12時ごろに20分間の休みがあります。定時制には休み時間はありません。

私の一日は朝早くから始まります。毎朝6時半には家を出て、家の近くに来てくれるスクールバスに乗ります。バスは学校から離れたところに住んでいる職員を乗せていくので学校に着くのは8時ごろになります。学校に着くと、一日に5コマほど普通制の生徒に対して英語で授業を行い、空き時間で授業準備、宿題チェック、テスト期間になると採点、理科室の環境改善のために片付け等を行っています。14時頃に普通制の学校の授業が終わり、定時制の授業が始まります。定時制の授業の空き時間に、武道クラブ、科学クラブ、補習授業をそれぞれ週一度、1時間ずつ行っています。定時制の授業後はバスに乗り、帰宅するのは6時半ごろになります。

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このように私の一日は配属先で授業を行うのが主な活動で、日本紹介のために武道クラブ、科学の楽しみを伝えるために科学クラブ、学力を向上させるために授業の補習を行っています。

数学の勉強内容は高校一年生にあたるセカンダリースクール二年生で二次関数、連立方程式、簡単な確率等の日本の中学生で勉強する内容なので日本に比べると少し遅いですが、化学は物質量、化学結合、有機化学などと日本の高校で学ぶ内容とほぼ一致しています。

生徒は日本の生徒と変わらない印象を受けています。勉強が得意な生徒は、放課後に図書室で勉強したり、わからない問題があると質問をしたりしてくれます。反対に勉強が苦手な生徒は、テスト週間でもテスト後にグラウンドでサッカーをしたり、授業中に本を読んでいたりすることもあります。しかし、どの生徒も優しく、授業で使う教科書や実験道具を運んでいると、手伝いに来てくれる生徒が多いです。一方、経済状況の差による生徒の学力・就学の問題は日本より深刻です。経済的・学力的な問題や結婚するという理由で学校に来れなくなる生徒も珍しくありません。全教科の教科書を持っている生徒はいませんし、制服が破けていたり、筆記用具を十分に持っていなかったりする生徒もいます。しかし、図書館で教科書を借りたり、制服の破れをお互い気にしなかったり、テスト中でも筆記用具を貸しあったりと協力することで解決している様子もよく見かけます。教育の現場でも、みんなが寛容で助け合って生きているのはこの国の良さだと感じています。

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教員は、日本と同じように学校内研修や理数科教員研修に参加して、自身の授業の研鑽に努めています。現地の教員の授業を見学しても、生徒が楽しそうに勉強している姿を見るので、興味関心を高める工夫を行っていてこちらが勉強になることもあります。

私の活動は6月で1年10か月が経ちます。私がこの配属先で行った変革は微々たるものです。そればかりか日々現地の職員、生徒に助けてもらってばかりですが、一人日本人がいても暖かく接してくれるマラウイ人に感謝しかありません。そして、職員や生徒の中に日本のことを知ってくれている人もいて、「日本が、日本人が大好きだよ」と言ってもらえることも多く、今までのマラウイに関わった日本人たちのおかげで、今とてもやりがいを持って活動を行えています。残り短い活動期間ですが、すべての人達に感謝の気持ちをもち、マラウイに恩返しをしていきたいと思います。

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