マラウイボランティアレポート「農業の授業」

2023.06.06

名前:中田 慧
隊次:2021年度7次隊
配属先:ムア聴覚障害児特別支援学校
職種:言語聴覚士
出身地:神奈川県横浜市

マラウイでは、ほとんどの人が農業を営んでおり、学校の先生も畑を持っています。そして、小学校では農業の授業があります。一度近所の学生に好きな科目、得意な科目を尋ねた際に、農業と答えた子がいました。農業が一番大切なのだとその子は話しており、日本の小学校に農業という科目はないと話すととてもびっくりしていました。マラウイの人たちにとって農業は、生活の一部となっており、とても重要なスキルの一つです。

私が配属されているムア聴覚障害児特別支援学校では、特に力を入れて取り組んでいる様子がうかがえ、学校の敷地内に大きな畑を作り、堆肥作りから生徒は実践で学ぶことができます。学校では、こうした技術を学ぶ授業が週に1回、裁縫や大工技術、コンピュータの授業があります。

聴覚障害のある子供たちにとっては特にこの科目は重要な意味を持っています。ただでさえ就職が難しいこの国で、多くの学生は農家として、また、自給自足で生きていくことになります。聴覚障害の子供たちは特にコミュニケーションの面で不利な立場にあるため、卒業後に農業のノウハウを身につけることはとても難しいです。また、寮生活ということもあり、1年のほとんどを実家から離れるため、家庭での教育、特に畑仕事などの手伝いを通じて技術を学ぶことができません。それゆえに学校での授業がとても大切なのです。

先日、午後の授業でマンゴーやグアバの苗を植えるというので見学をさせてもらいました。まずは、深めに穴を掘りそこへたっぷりと水を流し込んで土に浸透させます。土と水を混ぜたら苗を植えていきます。みんな一生懸命に作業を行っていました。このように毎年いろいろな木を植えたり、野菜を栽培したりしているため、学校の周りにはマンゴー、グワバ、バナナ、レモン、サトウキビ、トマトなど様々なものが収穫でき、収穫物は寮の食事に使われ、余りがあると少しお裾分けしてもらえます。

マンゴーの木は約5-6年で実をつけるようなので、いつの日かマラウイにもう一度訪れたのなら、この時に植えた苗が大きく育って、実をつけているのだろうなと思うとワクワクします。残り約2か月の任期ですが、私も何かマラウイに残せるよう精進して、少しでも子供たちの糧になれればと思います。

堆肥作りの様子

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苗植えの様子

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