ボランティアレポート「思い出深い日」

2023.08.04

名 前: 後藤さつき
隊 次: 2021年度1次隊
職 種: 環境教育
配属先: リロングウェ市役所
出身地: 横浜市

2021年9月から、環境教育隊員として首都リロングウェの市役所で活動をしています。

環境教育というと、学校に出向き自然や環境保護に関するワークショップをするのが一般的な活動です。しかしながら、市内の廃棄物管理の現状分析や清掃イベントの質向上、広報活動の改善を主な活動としているため、これまで学校を訪れたことはありませんでした。

先日、他部署からの依頼で、小学生を対象にした環境問題に関するワークショップに、廃棄物管理を紹介する担当として参加することとなりました。

最初は、子供に馴染みのあるチェワ語で行うことも考えましたが、外国人から英語で授業を受けるという経験の方が何か印象に残るのではと考え、挨拶以外は全て英語で行い通訳についてもらいました。私自身が小学生の時に国際理解という授業で、外国人の先生が英語で授業をしてくれる時間がとても好きで今でも印象に残っているので、このような形にしました。

前半に、リロングウェ市のゴミ発生量の増加や3R(リユース、リデュース、リサイクル)について説明し、ゴミの減量には市民の協力が不可欠であることを伝え、後半にリサイクルの一例として紙ゴミから作る紙薪を紹介し、参加者全員で試作しました。
生徒は各学校から選抜されてきたということもあり非常に真面目で、誰からの指示もなくとも、真剣に話しを聞き、紙薪の作り方をメモする姿に驚かされました。
振り返りの時間に先生から何を学んだが聞かれると、生徒から「リサイクルはゴミを減らし環境を守るために、必要と気づきました」「各家庭でゴミをリサイクルできたら、今後ゴミは発生しなくなると思います」「各家庭が紙薪を使用することで、違法な森林伐採を止められると思います」といった発言があがり、感激しました。

教育のバックグラウンドがなく、子供向けの面白おかしく授業をできないことに不安を持って当日のぞみましたが、授業後に生徒が寄ってきて、「さつき、この経験をさせてくれてありがとう」と目を輝かせて言ってくれたことで、少しは彼らの記憶に残る授業ができたのではないかと思えました。
たった一回の授業ですが、普段ゴミとして見ていたものが、生活必需品である薪や炭の代わりになりうることを学んでもらう機会を作れ、それを生徒にも理解してもらえ、非常に嬉しかったです。1年10ヶ月間、様々な活動を行ってきた中でも強く印象に残るものとなりました。

また、今回初めてマラウイの小学生に接して、マラウイ国民全体の環境への意識を改善するには、市民教育と並行して、学校教育の中で環境問題やゴミ問題を実践的に学ぶ機会を繰り返し設ける必要があると考えるきっかけとなりました。

マラウイでは、突然に分野違いの業務を依頼させることも多く今回もそのケースでしたが、すべてのそういった経験が私を成長させてくれていると日々感じています。協力隊として知識や技術の移転をする以上に、マラウイでの活動を通して学ぶことの方が多いです。

別れ際、生徒が笑顔で「来てくれてありがとう!God Bless You、気をつけてね! 」と言ってくれました。活動では、苦しい思いをすることももちろんありますが、その笑顔と素敵な言葉に励まされ、これからも精一杯活動していこうと決意をした思い出深い日になりました。

1. God Bless you!と言いながら、帰っていく生徒の後ろ姿

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2. 授業風景

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3. 紙薪試作中

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4. 出来上がった紙薪を披露する生徒たち

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5. 主催した職員と通訳をしてくれた職員

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