ボランティアレポート「マラウイで感じること」

2023.11.01

名前:鈴木翔太
隊次:2023年度7次隊
職種:公衆衛生
配属先:サリマ県病院
出身地:北海道旭川市

マラウイで生活してみて、毎日いろんなことを考え、日本では感じることがない感情になり、エモーショナルな日々を過ごしています。

マラウイに来て少し強くなれた気がします。得られたものもたくさんあります。家にアリの巣を作られてもどんな生物が出てきても冷静な心を保つこと、停電・断水に動じない心、今後どんなところでも生きていける自信、ぼったくりに負けない心などたくさんあります。これから得たいものとして、マラウイアンのように誰にでも優しくできる心やどんなことでも寛容に受け止める大きな器です。

得られたものと同時に失ったものもあります。それはオンタイムの心です。人のせいにするのはよくないと思いますが、マラウイアンタイムに引きずられています。たまにマラウイアンに「遅いよー」と言われてしまうほどです。もうひとつは清潔感です。私だけかもしれませんが、2日同じ服を着ようが、身体がべたべたで足が真っ黒になろうが、シャワーに入れなかろうがもう気になりません。手洗いの洗濯もきちんと洗えているのかわかりません。洗ったという事実だけで満足なのです。マラウイで日本と同じくらいの清潔感を求めるのはなかなか難しいと個人的に思っています。でもこれはマラウイに適応できているんだとプラス思考で考えています。

同期といろんな話をしますが、それぞれ家や土地によって、違った問題があり、みんなそれぞれその問題にきちんと適応できています。お互い「〇〇の家はきついわー」と言い合っていますが、恐らくその場に直面すれば誰でも適応できるのではないかと思います。人間の適応能力は無限大だなと感じています。

こんなえらそうなことを書いていますが、任地に来た当初は、不便な生活やマラウイアンとの関わりに慣れず活動と買い物以外はずっと家に引きこもっていました。そんな私でも今の環境に適応できつつあるので本当によかったなと思います。

マラウイでの生活で一番考えることは、幸せってなんだろう?ってことです。恐らくマラウイだけでなく、途上国に行くと誰もが一度は考えたことのあるテーマではないかと思います。

最近気づいたことは、誰かと食べるご飯は最高においしくて、幸せな時間だということです。マラウイでは1人の時間が多く、1人でご飯を食べることが圧倒的に増えます。そんな中ご近所さんや首都に上がった時にみんなとご飯を食べると、誰かと一緒にご飯を食べることがこんなに幸せなんだなと今さらながら感じました。

日本にいると近くに友人や家族がいて、気軽にかつ頻繁に一緒に食事ができます。日本ではこんなに近くにある幸せに気付けていませんでした。また日本での当たり前が当たり前じゃないことの方が多く、その小さな当たり前の幸せや日本人が忘れてしまっている幸せにも気づかされるように感じます。そう思うと幸せも一言で表現できるものでなく、あちこちに潜んでいるのかなって思います。

マラウイで生活して、自分の価値観が凝り固まっていたことに気づき、その価値観をいい意味でぶち壊してくれているマラウイに感謝すると同時にマラウイで生活できていることを幸せに感じます。残り半年間楽しく、五感を最大限に働かせて悔いのないよう生活していきたいです。

家の中にできるアリの巣

家の中にできるアリの巣

家の裏から見える夕日

家の裏から見える夕日

近所の子供たち

近所の子供たち

お世話になっているご近所さん

お世話になっているご近所さん

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