ボランティアレポート「非日常を生きる」

2023.11.16

名前:沼 みづき
隊次:2023年度7次隊
職種:看護師
配属先:ンチシ県病院
出身地:神奈川県横浜市

JICA海外協力隊としてマラウイに来て半年が経過し、ようやくこちらでの生活や病院での活動にも慣れてきました。今回は私の任地、ンチシと私の日常について紹介したいと思います。
私の配属先である公立県病院は、首都リロングウェから北東に約90km、人口約35万人を有するンチシ県に位置する総合病院で、地域住民への保健・医療サービスを提供しています。ボランティア内容のひとつに、非感染性疾患(以下NCDs:Non-Communicable Diseases)外来における看護業務、予防啓発活動があります。NCDsクリニックは火曜日と木曜日の週に2回あり、県内だけでなく近隣の県からも多くの患者が訪れます。そこで私は看護業務を行なっています。私の住むマラウイ中部ではチェワ語という現地語が話されていますが、多くの人々は英語も話すことができます。しかし、NCDsクリニックの患者は比較的年配の方も多く、英語が通じないことも多々あります。マラウイに来て半年、まだまだ現地語もままならないですが、なんとかチェワ語で挨拶しコミュニケーションを取ろうとする姿勢を見せてきました。そんな私に対し患者や病院内スタッフをはじめンチシの地域住民はあたたかい笑顔で挨拶を返してくれます。今後もマラウイの人々と積極的にコミュニケーションを取り、チェワ語の習得に努め、NCDsに関する健康教育などで還元していけたらと思っています。
私の同僚は昼休みは自宅に帰り昼食をとるスタッフが多いです。私は病院から家まで遠いので病院の近くで昼食を済ませることが多いのですが、時々同僚や知人が自宅に招いてくれ、昼食を振る舞ってくれます。マラウイの人々はマラウイの主食「シマ」の作り方を教えたがります(笑)「シマ食べたことある?」「シマの作り方知ってる?教えてあげる!」は定番の会話のやりとりです。実際にマラウイ人のお宅にお邪魔して生活感を見たり、シマを一緒に作って食べたりと、マラウイの人々と多くの時間を過ごすことでチェワ語の習得にも繋がり、異文化理解の場となっています。決して裕福ではないマラウイの人々ですが、外国人の私をもてなそうと豪華な食事を用意してくれたり、体調が優れない時には身体に良いものを差し入れてくれたりとまだ半年しかンチシにいないのにも関わらず“もらってばかり”な気がしています。
協力隊としての生活は決して楽しいことばかりでなく、時に苦労もあります。日本では滅多にない停電や断水、手洗いでの洗濯、火おこしをしての調理、ゴミは収集されないので自分で燃やす、ぼったくられる、などなど、こんな非日常な日常は、きっとずっと日本に住んでいたら到底味わうことのできない経験だなあと感じており、この貴重な毎日を噛み締めながら生きています。ンチシには外国人はおそらく私しかいません。突然現れた謎の外国人を警戒心もなくあたたかく迎えてくれ、一緒に食事をしてくれたり、同僚の一人とみなしてくれ会議やイベントに呼んでくれたりするンチシの人々。そんなマラウイの人々に助けられながら毎日活動しています。2年間という限られた時間の中で何か少しでもマラウイの人々のためになることができたらと思います。

NCDsクリニックのスタッフと

NCDsクリニックのスタッフと

診察室内の掲示板を整理してNCDsに関する掲示物を貼りました

診察室内の掲示板を整理してNCDsに関する掲示物を貼りました

シマの作り方を教わっているところ

シマの作り方を教わっているところ

マラウイのソウルフード シマ  (メイズの粉をお湯で練ったもの)

マラウイのソウルフード シマ 
(メイズの粉をお湯で練ったもの)

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