ボランティアレポート「マラウイから教わること」

2024.01.23

名 前: 寺田 睦
隊 次: 2022年度4次隊
職 種: 薬剤師
配属先: ムジンバ県南部病院
出身地: 千葉県

私はマラウイのムジンバ県南部病院に薬剤師として派遣されています。活動の要請内容は主に5S業務(整理整頓などを通して職場環境を整え、業務効率の改善や安全性の向上を図ること)や、実習生への指導等を通して患者へ適切な医療を提供できるよう支援することとなっています。
マラウイ渡航から半年以上が経ち、職場の雰囲気には慣れましたが、度々同僚や患者とのコミュニケーションの難しさを痛感し、その中で自分ができる支援を模索している日々を送っています。要請内容に拘らず、同僚と共に日常業務に取り組んだり、トゥンブカ語を積極的に話す姿勢を見せたりすることが信頼関係の構築に繋がると信じ実践していますが、目に見える結果や実績から遠回りしている気もしており、充実感や焦りなど複雑な感情を抱えながら過ごしています。
マラウイは最貧国に位置付けられていることもあり、当病院は県内最大級の公立病院でありながらも衛生状況は劣悪で、リソースも限られている等、課題は山積みであると感じます。そのような環境下で、くじけそうになることもありますが、マラウイの人々は穏やかで思いやりを持っている人が多く、ここで生活を送れているのは、地域の人々・同僚などの励ましや協力的な姿勢に支えられているからだと実感しています。
例えば先日、実習生として仲良くなった学生から、あなたのおかげで学位を取ることができたと報告をもらいました。そんな些細な経験でも、その時自分のモチベーションが上がったことを感じ、支援する側、される側という明確なボーダーなく、コミュニティに入って現地人と同じ時間を過ごすこと自体が誰かの支えになっているのかもしれないと考えられるようになりました。

とは言ったものの、もちろん良いことだけではなく、活動の充実さもありますがマラウイについて考えた時に最初に思いつくのは生活の不便さで、ライフラインや住環境の脆弱さや害虫との闘いなど、不安な点を挙げたらキリがないと感じています(笑)。
隊員仲間などから様々な武勇伝を聞くたびに、私の元でも起こったらどうしようと考えてしまうのが私の癖なのですが、遅かれ早かれ、思いつく範囲のトラブルはいつか絶対に起こるということがわかってきました。
いざそれらの問題と直面してみると、案外簡単に解決したりすることもあり、そういった壁を乗り越えることで不安が少し解消されて、そしてまた新たな不安が生まれて、という繰り返しの中で徐々に適応してきているつもりですが、その度にマラウイアンとの繋がりは必要不可欠だということを再確認します。断水時には近所の人が水汲みを手伝ってくれたり、コンセントがショートして使えなくなった時も大家さんが迅速に対応してくれたり、夜道は危険だからと車を出してくれたり、ネズミの対処法を教えてくれたり、今思うと些細なことのように思えるものばかりですが、それらに支えられて生活しています。
日本での生活の中で、「人間は一人では生きていけない」ということを実感することがなかったわけではありませんが、ここまで直接的にそれを感じた経験はなかったので、JICA海外協力隊としての活動の一つの気づきとして大切にしていきたいと思います。

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在庫管理の帳簿をつけているところ

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自宅近くからの景色

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休憩中に同僚と軽食(メイズ)

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