国家課題であるプラスチック管理の現状を解明し、国内随一の大学との連携を協議

2024.02.26

JICAは、2023年9月に開始した「プラスチック管理能力強化プロジェクト」を通じて、これまで全容が把握されていなかったスリランカ国内のプラスチック管理の現状が明らかになりました。今後サンプル数の増加による精度向上が期待されていますが、これまでの調査結果は主に以下のとおりです。

・自治体が回収しているごみの約10%がプラスチックごみ。うち、約70%が容器包装プラスチックであり、使い捨てプラスチック(SUP:Single Use Plastic)の買い物袋が全体の約40%、ランチシートが全体の10%を占めます。(西部州、重量ベース)。

・全国49箇所のリサイクル業者を調査した結果、全体で日量152トンのプラスチックをリサイクルする施設能力を有しているものの、実際のリサイクル量は約100トンに留まっていることが判明しました。PET以外にもPP(ポリプロピレン、プラスチック椅子、分別された電子機器廃棄物、家庭用品など)、PE(ポリエチレン、HDPEボトル、ポリサック、LDPE家庭用容器、レジ袋など)が多くリサイクルされています。

・西部州内でSUPに関する意識調査を行った結果、買い物袋とランチシートを除いて、半数以上がSUPは代替可能であり不要と考えていることが判明しました。

これらの結果を踏まえて、プラスチック管理の改善に向けた施策を今後検討していきます。その一環として、国内唯一の高分子学科を抱えるスリジャヤワルダナプラ大学の応用理学部を訪問し、協働可能性について議論しました。JICA職員及び専門家による講義では、プラスチック管理に係る包括的な調査結果は過去に例がなかったため、教員・学生から高い関心が示されました。プラスチック問題の解決には、産官学の連携が重要であり、様々な関係者との検討を継続していきます。

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