地方自治省、ルサカ市役所とともに「大ルサカ都市圏」の総合開発計画策定を開始

2023.09.12

ルサカは1935年にザンビア(当時は北ローデシア)の首都となりました。1933年のP.J.ボウリングスによると、当時ルサカは20,000人のヨーロッパ人が住むことを想定して計画されたそうです。90年後の現在、ルサカの人口は約160倍の3,181,250人(推定値)まで増えており、さらに増加傾向にあります。この人口増加に伴い、市街地の無秩序な拡大が進み、さらには住宅・道路インフラ、水・衛生施設等の社会設備の供給が間に合わない等、多くの都市課題に直面しています。

これらの課題を解決するため、JICAは、2007年8月から2009年3月にかけて、ルサカの包括的な都市開発マスタープランと、都市交通開発、上下水道開発、生活環境改善のサブプログラムのマスタープランを策定しました。ここでは、様々なセミナー、ワークショップ、展示会を開き、マスタープランの内容、社会的・環境的配慮等について、様々な関係者を巻き込む形での情報発信と合意形成を丁寧に行いました。その結果、マスタープランは、2010年5月14日に都市・国土計画の法律に基づきザンビア政府の正式な計画として採択され、これをベースに幹線道路の整備等、様々な事業が実施されました。

このマスタープランから十数年経った今、ルサカにおいては、当時想定していた以上のスピードで人口が増加し、市街地がルサカ市を超えて郊外に拡大しています。また、ザンビアにおいても「持続可能な開発目標(SDGs)」が大きなテーマとなり、都市開発もSDGsとは切り離すことができなくなっています。

ルサカの最新の状況及び世界的な潮流を反映し、より実現性の高い計画にアップデートするため、JICAは地方自治・農村開発省(MLGRD:Ministry of Local Government and Rural Development)及びルサカ市役所(LCC:Lusaka City Council)と協働し、2023年8月に「ルサカ広域地域総合開発計画策定プロジェクト」を開始しました。このプロジェクトは、「大ルサカ都市圏(Greater Lusaka)」として、ルサカ市のみならず、カフエ、チランガ、チョングウェ、チボンボなどの周辺自治体の一部も対象に含めています。

本事業では、総合的な計画を策定するため、また、様々な視点の意見を反映するために、都市計画、社会経済枠組み、産業開発、交通、上下水道、排水、固形廃棄物管理、グリーンインフラ、社会インフラ等といった多岐に亘るセクターを対象とします。このため、JICAからもこれら多様な分野の専門家を現地に派遣し、ザンビア側関係者とともに、ひとつひとつ現状の確認を進めていきます。

この大ルサカ都市圏の持続可能な開発と生活環境改善のための地域総合開発計画は、策定された後、ザンビア政府によって承認され、中長期的な政策や指針として活用される見込みです。今後の活用を念頭に、プロジェクトでは、目的達成のための関係者の能力開発も実施する予定です。

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