NGO-JICAジャパンデスク(JICAプラザ) 3.ザンビアで活動する日本のNGO

JATA(財団法人結核予防会)

団体名(日本語):財団法人結核予防会
Name(英語):Japan Anti-Tuberculosis Association(JATA)
TEL/FAX:+260-261851
Address:No. 6, Twin Palm Road, Kabulonga, Lusaka,Zambia
E-mail:jata_zambia@jatahq.org
URL:http://www.jatahq.org/
ザンビア活動開始時期:2008年8月から

ザンビアでの活動趣旨・目的:

ザンビアにおいては、HIV/エイズの影響により結核患者が急増しており、結核と診断された患者の中のHIV陽性率は85%とも報告されています(WHO UNAIDS2004)。2004年から抗HIV治療が公的医療機関で導入され、2007年末には約10万人に治療が開始されましたが、結核を通じてHIV感染者を発見していくことは、効果的な治療導入、患者の救命につながります。また結核・HIV重複感染対策への取り組みをコミュニティDOTS活動(結核ボランティアの目の前で抗結核薬を飲んでもらう活動)の一環として実施することは、ザンビア保健省の結核対策方針と一致しており、効率的な感染の予防および拡大の抑制が期待されています。

また、ザンビアでは、結核診断施設へのアクセスの欠如が、人々の結核診断への障害の1つとなっているため、診断センターの設置により、より多くの結核患者が、早期に診断され、治療・治癒されることを目指します。

ザンビアでの主な活動内容:

当会はザンビアで2つのプロジェクトを実施しています。

(1)ザンビア国における住民主導による結核/HIVコミュニティDOTS対策プロジェクト

本プロジェクトは外務省NGO連携支援無償資金協力および結核予防会シール募金より支援を受けて下記活動を行っています。

  1. 「結核とエイズ早期診断(ACFM)センター」にて迅速かつ効率的な検査、カウンセリングを無料で提供し、結核/HIV重複感染患者を早期発見する
  2. 結核ボランティア研修の実施により、DOTS対策の担い手となる人材育成とその確保を行う
  3. 結核ボランティアにより、持続的で患者・家族のニーズに沿った在宅ケアとサポートを提供することで、結核の治療成功率を向上させ、治療脱落者の増大を阻止する
  4. 結核ボランティアへのリボルビングローン、結核ボランティアと患者家族を対象とした家庭菜園を実施する

2008年8月から2009年10月までの活動内容:

  • 2009年2月、「結核とエイズ早期検診センター」を開所、レントゲンを除くサービスを開始し、追って同年8月レントゲン検査を開始しました。2009年2月から10月までの間に461名が結核疑いとして検査を受け、181名(39.3%)が結核と診断されました。また、レントゲン検査導入後でレントゲンによる結核患者発見の割合が増大しています。
  • 結核ボランティアの育成のため、2009年9月より、順次、結核・HIV重複感染の予防・治療に関する基礎的知識、社会動員、在宅ケア、 母子保健(母子感染予防)、栄養教育を含む研修を実施しました。また、早期診断センターでの医療スタッフについて、2008年9月から2009年8月まで、市ヘルスセンター結核外来、大学病院レントゲン検査室にて、実地研修を実施しました。
  • 結核ボランティアを対象にリボルンビングローン研修を実施しました。結核ボランティアの中から選出されたローン委員を中心に準備を進め、現在15名が資金を借り受けて活動中です。
  • 家庭菜園活動は結核ボランティアへの研修が完了しました。家庭菜園セットを配布、現在、豆、にんじん、トマト等の野菜を成育中です。今後、結核ボランティアから患者へ指導、患者による家庭菜園の実施も予定しています。

(2)結核検査の質の向上およびネットワークの強化

結核技術支援プログラム(TBCAP:TB Control Assistance Program)は、米国開発庁(USAID)が資金を拠出している5年間(2005〜2010)の結核対策プロジェクトです。当会を含めた8つの世界の有数の結核対策のNGOがパートナーとして協力して世界23カ国でプロジェクトを行っています。ザンビアではアメリカのNGO、ファミリーヘルスインターナショナル(FHI)が、取りまとめをしています。当会は結核検査室の検査サービスとシステムの強化を担当し、USAIDの強化地域であるルアプラ、コッパーベルト、ノーザン、ノース・ウェスタン州において活動しています。検査技師の喀痰塗抹検査やEQAのトレーニングや実際にフィールドに行って、検査室のモニタリングや評価を行い、さらなる検査体制の改善に取り組んでいます。

事業分野:保健(結核対策、結核とHIV/AIDSの重感染対策)、コミュニティ活動支援
ザンビア実施地域:ルサカ州ルサカ郡バウレニ地区
ザンビアでのパートナー団体(NGO/CSOs):

本部

TEL/FAX:+42-491-1381(国際部)
E-mail:international@jatahq.org
住所:〒204-8533 東京都清瀬市松山3−1−24 結核研究所内
設立年:1939年(昭和14年)5月22日
(日本の)NPO法人格の有無:
代表者:(理事長)長田功
支部など:
【日本国内】本部直轄(都内7か所)、地方支部(47都道府県各1か所)
【海外】ザンビア、フィリピン、カンボジア

団体からのメッセージ:

プロジェクトの要となるボランティアの人達も、貧困・エイズ・結核などの問題に直面しています。彼らをサポートしながら、辛抱強く地道に活動を続けることは容易なことではありませんが、「結核をなくそう!」という同じ目標に向かって、息の長い活動をしていきたいと思います。今後とも、皆様のご協力・ご支援をお願いします!

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Georgeヘルスセンター結核外来実地研修

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コミュニティでの住民啓発活動

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早期診断センター内レントゲン撮影室

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結核ボランティアの家庭菜園活動

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早期診断センター(ナースと結核ボランティア)

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結核ボランティアによる、フィールド活動