ゴミ問題解決/地方税増収のためのモデルプロジェクトの実施
今年7月から9月にかけてコイドゥ市、ボー市、カイラフン県の3ヶ所の地方議会で、プロジェクトのガイドラインを活用したモデルプロジェクトを実施しました。
このプロジェクトでは地域開発事業実施ガイドラインの活用を促すため、2022年に11件のモデルプロジェクトを実施しましたが、選定された案件はいずれも建設案件に特化したものであったため、「ガイドラインは施設建設、機材調達以外の技術指導(ソフト案件)にどのように適用できるのか」という疑問に応えるため、3件のソフト分野でのモデルプロジェクトを追加実施しています。
このモデルソフトプロジェクトに選ばれたのは、日本での研修参加者が作成したアクションプランのうち、コイドゥ市議会のゴミ問題キャンペーン、ボー市議会の税収増キャンペーン、カイラフン県議会の税収増キャンペーンの3件でした。人口流入が続く地方都市では、ごみ問題が深刻化しており、ごみ処理は喫緊の課題です。この問題解決には、市議会によるごみ処理能力の強化だけでなく、市民一人ひとりのごみ分別や減量の協力が不可欠です。
一方、地方分権化が進み20年が経過した現在でも、多くの地方議会では、開発協力各機関からの資金援助に頼った開発プロジェクトが実施されていますが、地方財政の自立を目指し、各地方議会は税収増を図ろうとしています。そのためには、市民の納税意識の向上や、徴税担当者の能力強化が求められています。
このような背景から、コイドゥ市議会は、ゴミ問題解決に向け、ラジオ番組や街頭キャンペーン、清掃活動などを実施しました。ボー市議会は、税収増を目指し、職員研修や納税啓蒙キャンペーンを行い、カイラフン県議会は、納税意識向上のため、街頭キャンペーンや徴税官研修、パラマウントチーフとの協定更新を行いました。
これらの活動は、それぞれの議会が定めた計画に基づき、ガイドラインに沿って実施され、ソフト系の活動でもガイドラインが有効で、インフラの案件だけではなく活用できることを十分に示しました。また、今後実際にどのような改善が見られたか評価を行う予定です。
今回の活動は、日本で行われた研修で生まれたアイデアをもとに、各地方議会の具体的な取り組みへと発展しました。議長や市長も積極的に関わり、職員たちが地域改善への強い熱意を持って活動に取り組んでいたのが印象的でした。このことは、ガイドラインがソフト案件にも有効であることを示し、地方議会職員の主体性が明確に示された活動でした。
コイドゥ市議会のゴミ問題ラジオ対談の様子。
カイラフン県議会の街頭納税キャンペーンの様子
ボー市議会の税収増キャンペーンの様子