ドローンを活用して、サメーサン地区のマングローブ林に絡まったプラごみの動態把握に資する調査を実施しました。
2024年5月29日から30日まで、鹿児島大学の加古教授と種田技官の主導のもと、タイ・チョンブリ県サメーサン地区のマングローブ林でドローンとLiDAR 1 を使ったプラスチック廃棄物の追加調査を行いました。これは2023年12月に同地区で行った調査(https://www.jica.go.jp/oda/project/1900843/news/1528958_45088.html)を補完し、マングローブに絡まったプラスチック廃棄物の状態が潮の干満によりどのように変化するのかを把握するためのものです。
タイをはじめとする東南アジアの沿岸部に広がるマングローブ林は観光機能や防災機能を有しており重要です。他方、マングローブ林は支柱根が水面に張り出し周辺のプラスチック廃棄物をトラップし易い構造をしています。しかし、どのようにトラップし、トラップされたプラスチックの状態がどのように変化していくのか明確になっていません。本調査では、これを明らかにすることでマングローブが有するプラスチック流出防止機能と、プラスチックが与えるマングローブ林への影響、マングローブから外洋へ漏出するプラスチックの動態を推測することを目指しており、今後、これらの調査によって得られたデータの解析を行っていきます。
今回の調査にはチュラロンコン大学の研究員と技官も参加し、ドローンとLiDARの応用技術を確実に身に着けつつあります。今後は彼らがタイで同様の調査を主導することを期待しています。
1レーザー光の反射を利用して、モノや地形の「距離」を読み取る機能。近年ではスマートフォンの上位機種にも搭載されており、汎用性が高い。
マングローブ林に絡まるプラスチック廃棄物
LiDARでマングローブ林の側面からプラスチック廃棄部を測定する様子
ドローンを用いた調査で協働する研究員