オルホン県地域診断治療センターで、看護師も参加して総合診療研修が実施されています(続報)

2019年1月14日

2018年10月より、オルホン県地域診断治療センター(RDTC)で総合診療研修が実施されています(プロジェクトニュース2018年10月22日、11月13日参照)。4名の研修医たちは、内科、小児科、産婦人科、救急科などをローテートし、地域で活躍できる知識や技術、また基本的態度を身につけるべく、学びを深めています。その姿に影響を受けた看護師たちが、研修の様子を見に来てくれました。

研修医たちは、毎朝カンファレンス室に集まり、指導医たちに新規に入院した患者をプレゼンテーションし、学習すべきことを整理し、指導医たちからアドバイスをもらっています。1月11日の朝カンファレンスには、11名の看護師たちが参加してくれました。これまでオルホン県RDTCに研修医は存在していませんでしたが、3か月前から総合診療研修が開始され、臨床の現場に卒業直後の医師たちが出てくるようになりました。そこで看護師たちは、より良いチーム医療を提供できるように、自発的に研修医たちのカンファレンスに参加し、総合診療研修に対する理解を深めようと考えてくれたのです。

より良い研修を実施するためには、看護師の協力は不可欠です。ただ、まだ研修が開始されたばかりで、看護師に十分アプローチできていませんでした。ですので、今回のように看護師たちが興味を持って医師のカンファレンスに参加してくれたことは、とても感謝なことで、非常に嬉しく感じました。そして病院の職員たちが一体となって、地域を支える医師たちを育てる文化が醸成されつつあることを実感しました。

プロジェクトは、オルホン県RDTCでの総合診療研修がこの国の総合診療研修のモデルとなるよう支援していますが、プロジェクトが十分対応できていなかったところをモンゴルの方達が自発的に動いて、より良い形にしてくれています。最終的にはモンゴルの方達だけで総合診療研修を運営していくことができるようになることが目標ですので、とても良い流れができています。今後、看護師たちとも対話を重ね、さらに良い研修を実現できるよう支援を続けたいと思います。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

【画像】

看護師も参加した朝カンファレンス(向かって右側の机に座っているのが看護師たち)