総合診療研修で利用する小児科研修マニュアルが完成しました

2019年3月8日

2018年9月以降、オルホン県地域診断治療センター(RDTC)と大原医師(国立国際医療研究センター国際医療協力局)が中心となって作成し、モンゴル保健省小児科専門委員会で承認を受けた小児科研修マニュアル(図1)が完成しました(プロジェクトニュース2018年10月18日、11月13日、2019年1月8日参照)。

総合診療研修では、研修医は2ヶ月間小児科で研修します。この期間に経験すべき疾患などは研修カリキュラムで規定されていますが、具体的にどのような内容を学ぶ必要があるかについては言及されていません。そこで研修医が現場で活用でき、また将来地域で診療する際にも参照できるように、マニュアルが作成されました。

マニュアルの内容は、モンゴル国内で広く利用されている教科書の内容を踏襲し、また地域で診療することを意識して、専門医に紹介すべきタイミングなども記載しています。また保健省の小児科専門委員会の先生たちに内容を確認してもらい、モンゴル国内で利用しても問題がないように修正を重ねました。

完成したマニュアルを手にした指導医たち、研修医たちは、とても喜んでくださいました。特に指導医たちは、限られた時間で多くの労力を割いて作成に貢献しましたので、格別嬉しかったようです(図2)。また研修医たちの笑顔を見て、このマニュアルがモンゴルの地域における診療のニーズにもマッチしていたことを確信しました。

現在、産婦人科マニュアルを修正中ですが、プロジェクトでは、今後続けて他科のマニュアルや手技を学ぶための教材を開発したいと考えています。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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図1.完成した総合診療医のための小児科研修マニュアル

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図2.小児科研修マニュアルを手にして喜ぶ小児科指導医や研修医たち