看護師の指導者養成研修(TOT研修)の開発を目的としたセミナーを実施しました

2019年8月31日

8月30日、日本から習田専門家(厚生労働省医政局看護課)、深谷専門家(国立国際医療研究センター国際医療協力局看護師)を招き、看護師の指導者養成研修の開発を目的としたセミナーが開かれました。

本プロジェクトでは、保健省からの要請を受け、今年度より看護師の指導者養成研修(TOT研修)の開発に取り組んでいます。保健大臣令により設置されたワーキンググループ(WG)のメンバーたちと6月以降活動しており、8月中旬からは看護師のTOT研修の内容を確定させるため、深谷専門家がWGのメンバーと会議や面談を繰り返してきています。(プロジェクトニュース2019年6月13日、8月15日参照)。

今回モンゴルで活動された習田専門家は、日本において新人看護師を育成するためのガイドライン策定や策定されたガイドラインを国内各医療施設で実行に移すために、国の施策づくりに関与してこられた方です。セミナーにはWGのメンバーであるウランバートルの三次医療施設の看護部長、医科大学の看護学部において卒後研修に関わっている先生方、またモンゴル看護協会の幹部たちが参加されました。

保健開発センターのNarantuyaセンター長の挨拶により開始されたセミナーでは、まずWGのメンバーが8月中旬以降深谷専門家と協議してきた研修の内容を、それぞれ担当者が発表し、方針を共有しました。また習田専門家からは、日本が過去に直面した看護師不足や看護師の地位を向上させるための国の対策や、新人看護師を育成するためのガイドライン策定のプロセスなどが共有されました。その後、WGのメンバーにより、12月の研修実施に向けて解決しなければいけない課題を挙げ、行動計画を立てました。

良い指導者を育成することは、良い看護師の育成、つまり質の高い看護ケアを提供できる看護師の育成につながり、ひいては国民により良い医療・看護を提供することにつながります。国が主導し、かつ現場の看護師たちと協力して良い看護師の育成に取り組んだ日本の知見は、これからのモンゴルにおける活動に役立つことが期待されます。

今年12月には、第一回の研修が実施できるように準備進めていきます。プロジェクトも、モンゴルで初めてとなる看護師のための、看護師によるTOT研修の開発に向け、今回の行動計画に従い支援を続けていきたいと思います。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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自ら担当する研修の内容を発表するWGメンバー

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WGリーダーのバトゲレル医師(中央)と習田専門家(左横)、深谷専門家(右横)