(1)当該国における社会保障セクター(高齢化対策)の開発実績(現状)と課題
タイ王国(以下、「タイ」)においては、総人口6,593万人のうち65歳以上の高齢者が666万人と、全体の10.1%を占める高齢化社会に突入している(注1)。これは、東南アジア諸国のうち、シンガポールを除いて最も高い割合である。さらに、タイは、2002年に65歳以上の割合が7%を超える「高齢化社会」に移行したが、20年後の2022年には同割合が14%を超え、「高齢社会」に突入すると予測されており、この進展スピードは、過去に日本が「高齢化社会」から「高齢社会」に達するのに要した24年よりも早いと言える(注2)。なお…