所長あいさつ

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インドネシアと日本は、民主主義や人権、市場経済といった基本的価値観を共有する重要なパートナーです。外交や、貿易・投資等の経済分野における両国の深い結びつきのみならず、幅広く国民レベルにおいても友好関係を維持しています。

JICAにとっても、インドネシアは最も長い協力の歴史を持つ国の一つです。円借款や無償資金協力等の資金協力や、専門家派遣や研修、ボランティア派遣等の技術協力を通じ、インドネシアの開発課題の解決と経済・社会開発のために、インドネシアとの協力を行ってきました。これからもインドネシアの経済・社会の発展と安定、そして人々の生活の向上に貢献できるよう、インドネシアの人々や多様な関係者と共に考え、共に歩みながら、協力を行っています。

近年、インドネシアは着実な経済成長を実現しており、2019年の一人当たりGNIは中進国基準を越え、2020年には中進国入りも果たしました。インドネシア政府の「国家中期開発計画2020-2024」では、開発アジェンダとして、持続的・繁栄的な経済の確立、地域格差の是正、競争力のある質の高い人材の育成、連結性を高めるためのインフラ開発、災害・気候変動への環境整備、等が挙げられています。JICAは、インドネシアの経済社会におけるこれらの開発課題の解決に向けた努力を支援すべく、これまでの幅広い分野での協力の経験と教訓を生かしながら、協力に取り組んで参ります。

また、2020年から世界中で流行している新型コロナ(COVID-19)は、インドネシアにおいても感染の状況は深刻さを増しており、人々の暮らしや経済に大きな影響を与えています。JICAは、インドネシアとその人々がこの眼前の困難を乗り越えるための協力を行っています。さらに、今後は、インドネシアにおける感染症の予防・研究・治療の体制を強化するために協力を検討・実施していきたいと考えています。

JICAは、これまでの長い協力の歴史の中で育んできたインドネシアの人々や様々な関係者との信頼を礎に、さらにその信頼を一層強固なものとできるよう、そしてインドネシアと日本の人々の間の理解と友好がさらに深まるよう、業務に取り組んで参りたいと思います。

インドネシア事務所長
安井 毅裕