所長あいさつ

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モザンビークは、ポルトガルからの独立後、1977年から1992年まで続いた内戦の終了以降、年平均約7%の経済成長を遂げてきました。しかしながら、1人当たりのGNI(国民総所得)は490ドル(2019年世銀統計)、教育や保健などの水準を示す人間開発指数は189か国中181位(2020年国連統計)と、世界でも最貧国の1つと位置付けられています。コロナ禍の影響を受けた2020年には、経済成長率が1992年以来のマイナスとなりました。一方で、日本の約2倍の面積を有し、石炭や天然ガスといった天然資源にも恵まれるなど、将来の大きな発展の可能性を秘めた国です。

JICAは2003年4月の事務所開設以来、モザンビークにおいて幅広い協力を実施しています。例えば、保健医療・教育などの人間開発、小農支援を通じた農業開発、民間セクター活性化や道路・港湾・電力といったインフラ整備など持続可能な経済成長の推進を通じた産業開発、安全な水の確保や環境・気候変動対策といった協力です。

2020年以降世界を混乱に陥れている新型コロナウイルスに関して言えば、コロナ禍を乗り越え新たな感染症にも強い社会の実現を目指す「JICA世界保健医療イニシアティブ」を掲げJICAは世界各地で様々な協力を行っており、モザンビークにおいても保健人材能力の強化や機材の整備を行うなど、積極的な取組を行っています。

モザンビークには、ザンビア、マラウイ、ジンバブエなど近隣の内陸国にとっての外港を有するという地理的特性があります。この地理的特性を踏まえると、モザンビークの経済社会開発を推進することは、モザンビークのみならず内陸国の経済社会開発の推進にも資すると言えます。したがって、モザンビーク国内の開発ニーズに応えつつ、南部アフリカ域内の連結性向上に資する経済開発や産業振興を踏まえた、広域的な視点からも効果的な協力を実施していきたいと考えています。

JICAモザンビーク事務所は、2020年度までに16,764人の研修員・留学生受入、1,878人の専門家派遣、332人の海外協力隊員派遣などを通じた技術協力、有償資金協力、無償資金協力を実施してきました。これからも、組織のビジョンである「信頼で世界をつなぐ」を通じ、モザンビーク、さらには南部アフリカ地域の発展と安定に尽力していく所存です。

2022年1月5日
JICAモザンビーク事務所長
松本 仁