プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)平和構築に資する包摂性を確保した農業農村開発事業強化プロジェクト
(英)Project for Strengthening Inclusive Agricultural and Rural Development to Promote Peace Building with Legality
(西)Proyecto de Fortalecimiento del Desarrollo Agropecuario y Rural inclusivo para promover la Construcción de Paz con legalidad

対象国名

コロンビア共和国

署名日(実施合意)

2020年12月23日

プロジェクトサイト

プロジェクトオフィス:ボゴタ市ADR事務所内
パイロット事業サイト:2022年度は約5か所を対象として、選定調査中。

協力期間

2021年11月23日から2026年11月22日(5年間)

相手国機関名

(和)農村開発庁(ADR)
(英)Rural Development Agency

背景

半世紀以上にわたり武力紛争が続いたコロンビアでは、紛争を再び起こさないため、2016年に政府と革命軍の間で歴史的な和平合意が締結されました。この和平合意は六つの柱(総合農村改革、政治参加、紛争の終結、違法麻薬問題の解決、紛争被害に関する合意、和平合意の監視・推進・検証)から成り立っています。和平合意第一の柱である総合農村改革に見られる通り、紛争の主な要因とされた都市部と地方農村部の経済格差是正を目指す農村開発は、国内の和平達成のために極めて重要です。
2015年に発足した農村開発庁(ADR:Agencia de Desarrollo Rural)は、地域アプローチによる農業農村開発政策の実施機関として、全国の農家を手広く支援していますが、紛争影響地域における支援に関わる十分なノウハウを有していません。本プロジェクトでは、紛争影響地における地域開発支援体制の強化を支援します。これにより、同庁の平和構築に資する包摂性を確保した農業農村開発の強化に貢献し、同国の紛争再発防止に貢献します。JICAは「グローバルアジェンダ11:平和構築」において、紛争を発生・再発させない強靭な国・社会づくりを掲げており、本プロジェクトは脆弱地域における強靭な社会の形成と信頼醸成に寄与することが期待されます。

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Yacopi市 カカオ農家の視察

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La Palma市 生産者組合とのフィールド会議

目標

上位目標

国家企画庁が策定した「テリトリアルアプローチ開発プログラム(PDET)」対象地域を中心とした紛争影響地域において、コミュニティの包摂性が確保され、和平合意の履行促進に資する(総合農業開発事業スキームPIDARを含む)農業農村開発事業モデルの活用が進む。

プロジェクト目標

紛争被害者家族の社会的包摂と持続的な収入向上を含む統合的で自立発展可能な農業農村開発事業が強化され、それを実現するためのADRの事業計画策定及び実施監理能力が強化される。

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ADRとのプロジェクト会議

成果

・PDET対象地域を中心とした紛争影響地域において実施される(PIDARを含む)農業農村開発事業が、パイロットプロジェクトの実施を通じ、包摂性が確保され、和平合意の履行促進に資するように強化される。
・PDET対象地域を中心とした紛争影響地域において、包摂性が確保され、和平合意の履行促進に資する(PIDARを含む)農業農村開発事業を適切かつ効果的に計画策定・実施するためのADR職員の能力が強化される。

活動

1-1.紛争影響地域において、ADRが適切かつ効果的に(PIDARを含む)農業農村開発事業の計画を策定する際の課題を特定する。
1-2.パイロット事業候補地における紛争影響の特性(地理・コミュニティ構成・主要作物・既存インフラ・関連アクター等)を把握する。
1-3.活動1-2を踏まえ、パイロット事業の対象地域を選定する。
1-4.活動1-3で選定した地域において、(PIDAR等の)農業農村開発事業(パイロット事業)の計画を策定する。
1-5.活動1-4で計画を策定したパイロット事業を実施する。

2-1.活動1-4~活動1-5からの教訓を抽出し、マニュアルを策定するためのワークショップを実施する。
2-2.活動1-4~活動1-5を踏まえ、紛争影響地域における(PIDAR等の)農業農村開発事業の計画策定・実施のためのマニュアルを策定する。
2-3.活動2-2で策定されたマニュアルを活用し、ADR職員が適切かつ効果的に紛争影響地域における(PIDARを含む)農業農村開発事業の計画を策定し、実施するために必要となる研修を実施する

投入

日本側投入

・長期個別専門家3名(総括/包摂的な農村開発、コミュニティビジネス開発/組織強化、業務調整/社会調査・モニタリング)
・在外事業強化費(プロジェクトオフィス備品/機材、ローカルコスト他)

相手国側投入

・ADRのカウンターパート
・専門家執務スペースおよび備品等