田中理事長がウガンダを訪問

2014年1月31日

田中明彦JICA理事長は、1月25日から29日にかけて、ウガンダを訪問しました。
28日にムセベニ大統領とナイル架橋建設事業の起工式に出席するとともに、滞在中、同国におけるJICA事業の視察等を行いました。

ムセベニ大統領(右)と握手を交わす田中理事長

(1)1月28日、田中理事長は、ナイル架橋建設事業の起工式に参加しました。本事業は、ウガンダの首都カンパラから東に約80キロメートルに位置し、同国の重要な交通ルートである「北部回廊」のボトルネックを解消するものであり、JICAは2010年11月に円借款貸付契約を締結しました。同国にとって念願の国家事業であることから、起工式には、ムセベニ大統領、ビアンダラ公共事業大臣、藤田駐ウガンダ日本大使、建設工事を受注した日本企業関係者を含め、約1,000人という多数が列席しました。ムセベニ大統領からは、本事業に加え今までの日本の支援に対する感謝が述べられました。

コメ振興プロジェクト・坪井達史JICA専門家(左)によるコメの試験研究・研修についての説明

(2)これに先立つ1月26日には、2008年のTICAD IV(第4回アフリカ開発会議)で打ち出された「アフリカ稲作振興のための共同体(CARD)イニシアティブ」に基づき実施された、無償資金協力「稲研究研修センター建設計画」の施設を視察しました。これに加えて、現在実施中の技術協力「コメ振興プロジェクト」や青年海外協力隊員の活動の視察、ウガンダ側関係者との意見交換を通じ、ウガンダにおけるコメの位置付け、JICAのこれまでの協力の成果を確認しました。

(3)1月27日には、同国北部復興支援プログラムのもと実施された緊急開発調査「アムル県国内避難民帰還促進のためのコミュニティ開発計画策定支援プロジェクト」、および現在実施中の技術協力「アチョリ地域コミュニティ開発計画策定能力向上プロジェクト」の協力対象であるアルム県パボ郡事務所を訪問し、これまでの協力の成果の確認を行うとともに、先方関係者と意見交換を行いました。

さらに、同プログラムの下、実施中である、紛争予防・平和構築無償「アチョリ地域国内避難民帰還・再定住促進のためのコミュニティ再建計画」の対象サイトの一つであるクルオパル小学校を視察し、建設状況の確認を行うとともに、村長より、給水事情等の説明を受けました。

(4)1月29日には、日本が1968年から無償資金協力、技術協力、専門家派遣を通じて40年以上支援を継続しているナカワ職業訓練校を視察しました。日本は、ナカワ職業訓練校に対し、カリキュラム開発、指導員養成、訓練機材供与等を通じて協力してきています。現在、同校は、ウガンダで最も質の高い技術教育・実習を提供する訓練機関として、民間企業からも高い評価を得ており、卒業生の就職率も80パーセント以上となっています。同席した教育・スポーツ省 ジェシカ・アルポ大臣は日本の長きにわたる人材育成支援に感謝の意を述べ、今後も継続して日本の知見と支援を受けることの重要性を強調しました。

続いて訪れたエンテベ県病院では、日本型品質管理手法である5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)−カイゼン−総合的品質経営を用いた病院内職場環境の改善、JICAがBOPビジネス連携促進調査で協力している、サラヤ株式会社によるアルコール手指消毒剤の導入、および青年海外協力隊員の活動の現場を視察しました。

今回のウガンダ訪問では、田中理事長は、上記のほか、ブジャガリ水力発電所や、青年海外協力隊事業および草の根技術協力を実施中のウガンダ野生動物教育センター等も視察しました。