田中理事長がマダガスカルを訪問

−大統領をはじめ要人と会談、農業・農村開発や港湾事業の視察−

2015年1月16日

ラジャオナリマンピアニナ大統領(右)と会談する田中理事長

田中明彦JICA理事長は、1月11日から14日にかけて、マダガスカルを訪問し、ラジャオナリマンピアニナ大統領をはじめとする要人と会談を行うとともに、同国JICA事業の視察等を行いました。

田中理事長は、13日にラザフィトリム外務大臣、14日にはラジャオナリマンピアニナ大統領と会談しました。大統領は、日本の農業・インフラ分野の協力について感謝の意を述べるとともに、日本とマダガスカルの今後のさらなる関係強化についての重要性を強調しました。田中理事長からは、マダガスカルに対する今後の協力方針や青年海外協力隊事業の再開等、同国支援の方向性を伝えました。

また14日には、マダガスカル外交戦略研究センター(CEDS)とJICAの共催で、「インド洋と太平洋(“インド・パシフィック”)の時代における2つの島国〜マダガスカルと日本〜」と題した講演を行いました。その中で、田中理事長は、日本が明治時代以降に進めた発展の過程における成功例と失敗例を挙げ、JICAの多くの案件は日本の経験を基盤に形成されていることを説明しました。特に、社会・経済開発におけるオーナーシップ(自助努力)、キャパシティ・ディベロップメント(能力開発)、インフラ整備の重要性を強調しました。

さらに同講演会では、マダガスカルの開発課題に沿って、日本は主に1)農業・農村開発、2)インフラ整備、3)社会開発を柱として協力していることを説明しました。これを受け、多くの参加者からJICAの取り組みを評価する声がありました。

ムララノクロム総合環境保全・農村開発促進手法開発プロジェクトサイトを視察する田中理事長

1月12日には、アロチャ・マングル県にて、実施中の技術協力「ムララノクロム総合環境保全・農村開発促進手法開発プロジェクト(PRODAIRE)」と技術協力「中央高地コメ生産性向上プロジェクト(PAPRIZ)」を視察しました。青々と広がる水田を見ながらの関係者との意見交換等を通じて、同国がアフリカでは屈指のコメの生産大国であることや、協力重点分野である農業・農村開発分野支援の重要性を改めて確認しました。

その後、アチナナナ県トアマシナを訪れ、同国最大の商業港であるトアマシナ港を視察しました。現在実施されている技術支援事業「トアマシナ港拡張事業実施支援」の進捗を確認するとともに、トアマシナ港港湾公社(SPAT)との意見交換を行いました。