田中理事長が国連創設70周年記念シンポジウムに出席−安倍総理と潘基文国連事務総長が基調講演−

−安倍総理と潘基文国連事務総長が基調講演−

2015年3月19日

パネルディスカッションの様子

3月16日、田中理事長は、東京の国連大学において、外務省と国連大学の共催による「国連創設70周年記念シンポジウム」にパネリストの一人として出席しました。

本シンポジウムは、国連創設70周年の節目に、あらためて国連の活動と日本の国連における取り組みや貢献を振り返るとともに、国連の将来について考えていくことを目的としたものです。

冒頭、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長がスピーチを行い、国連創設70周年目に当たる2015年が、現在、仙台で開催中の国連防災会議、ミレニアム開発目標(MDGs)後の新たな開発目標を採択するサミット、気候変動対策に関する会議など、国際社会にとって重要なイベントが続く重要な年であることに加え、紛争の解決、平和維持活動や人権の重要性等と国連の役割について述べました。続いて、安倍総理が、人間の安全保障、持続的開発と質の高い成長、平和、保健医療、教育、女性のエンパワーメントなどさまざまな国際的課題への日本の貢献や国連との協働、そして国連改革の必要性等について述べました。

パネルディスカッションで発言する田中理事長

その後、「岐路に立つ国連:改革と刷新の年に向けて」というテーマでパネルディスカッションが行われ、田中理事長はパネリストの一人として参加しました。議論の中で田中理事長は、課題を議論する場を提供し解決すべき方向を指し示す、という国連の持つ機能の重要性をあらためて指摘。例えば開発の文脈で言えば、国連は、MDGsのように明確で分かりやすい国際的な共有目標を設定し、その枠組の下、いくつかの開発目標は大きな進ちょくを遂げ、他方で達成状況が思わしくない目標についても、さらなる課題を認識するよい契機を与えたと述べました。また、国連システムは、世界の多様な課題に対応するため専門分化が進んでいるが、相互調整が重要であり、その際には人間の安全保障の概念が有効かつ重要であると指摘しました。

同パネルディスカッションには、中山泰秀外務副大臣、ジョージ・タパトゥラ・チャポンダ・マラウイ共和国外務・国際協力大臣、バトゥンデ・オショティメイン国連人口基金事務局長、星野俊也 大阪大学副学長が登壇し、多様化・複雑化する国際社会の人道・平和と安全保障・開発それぞれの課題や、人間の安全保障について活発な議論が行われ、各参加者から、国連の不断の改革への強い期待が示されました。

JICAは、これからも国連本体や各国連専門機関と互いの専門的知見・ネットワークを生かしつつ、一層の連携・協力を行い、開発途上国の課題解決に取り組んで行きます。