【教師海外研修 授業実践】浜田市立長浜小学校

#4 質の高い教育をみんなに
SDGs
#17 パートナーシップで目標を達成しよう
SDGs

2023.12.18

 島根県浜田市立長浜小学校の勝部知早野先生は、2023年8月にJICA教師海外研修に参加しアフリカ南西部に位置するナミビア共和国を訪問しました。学校では人権教育も担当している勝部先生。自分の足でナミビアを訪れ、直接目で見て感じた気づきや新たな発見を基に、2023年12月18日(月)に6年生を対象に「人権」をテーマにした授業を行いました。

「これって差別?区別?」 日本とナミビアの「ちがい」から考えよう

 前回の授業では、勝部先生がナミビアで撮ってきた写真を見ながら話を聞いた児童たち。ナミブ砂漠の砂の細かさや日本で有名なファーストフード店がナミビアにもあるんだよ、という話から、「日本でのあたりまえってあたりまえじゃないかも」「私たちが思っている『アフリカ(ナミビア)』ってもしかしたら違うかも」ということに気づきました。

 今日は勝部先生がナミビアに行ってみて気づいた「ちがい」について考えます。勝部先生がまずみんなに示したのは日本とナミビアのいろいろな8つの「ちがい」。それぞれの違いを「あっていいと思うちがい〇」「あってはいけないと思うちがい×」「判断が難しいちがい△」に前回の授業をふまえて分けていきます。
 個人で考えたあとはグループ、そしてクラスみんなで考えをシェアしました。児童たちからは「それぞれの国の文化があるからそれぞれの食べ方でいい〇」、「肌の色が違うからといってバスに乗れないのは差別だからダメ×」といった様々な考えが出た一方で、「しょうがないと思うけど…、でもかわいそう△」と悩んだ児童もいたようです。また、「お金がないことで夢を叶えられないのはしょうがない」、「経済的な理由で子どもの夢を壊すのは良くない」といったように、同じ「ちがい」でも異なる判断をした児童もいましたが、勝部先生が初めに確認した「友だちの意見を否定しない」というルールもあり、児童たちは自身と異なる考え方を自分では気付かなかった新たな視点での考えとして自然と受け入れている様子が見て取れました。

 最後に、勝部先生は実際に日本であった外国人の差別のお話をしました。外国人を差別したり、偏見や決めつけで接したりしてはいけない、ということを感覚として分かってはいても日本ではないどこか外国での話、と思っていた児童たちは、実際に日本で起きた出来事にとても驚いた表情をしていました。
 今回の授業を受けて世界には自分たちと異なる考え方がたくさんあり、見た目や思い込みで決めつけることは良くない、ということに気付いた児童たち。今回の体験を通して、これからの暮らしの中でどのように考え、行動していくのか楽しみですね。

(記:島根県JICAデスク)

理由と共にどっちの「ちがい」なのか、まずは一人で考えます

勝部知早野先生

グループの考えがなかなかまとまらないところもありました

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