岡山大学×環境×国際協力

#6 安全な水とトイレを世界中に
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#12 つくる責任、つかう責任
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2023.08.02

「トンレサップ湖における水上集落住民参画型プラスチック汚染対策事業」中間報告会を開催

ここは、カンボジア・トンレサップ湖

なぜプラスチックごみが散らばっているのでしょう?
カンボジアにあるトンレサップ湖周辺には、約34万人もの人々が、水上に集落を作って暮らしています。生活で出たごみは、ほとんど全てが習慣的に湖へ投棄され、その量は1日約10トンと推測されています。行政による対策は何もなく、悪臭や衛生上の課題、漁業や観光業など経済上の影響なども懸念されています。また、メコン川への流出を経て、下流全体や海洋プラスチック問題にもつながっています。

岡山大学がどんなことをしているの?

環境生命自然科学研究科附属 低炭素・廃棄物循環研究センター 藤原研究室は現在、王立プノンペン大学と協働し、「ごみの投棄行為」改善を目指し、取り組んでいます。
具体的には、村全体のPETボトル分別リサイクルを立ち上げるために、リサイクルシステムの提案、啓発教材の作成と使用方法の指導、リーダー育成、クリーンアップイベントの開催などを行っています。

中間を迎えた事業によってどのような変化が起こっているのでしょうか

7月12日(水)に岡山大学共育共創コモンズで開催された中間報告会では、事業の概要に続き、現地で組織された推進チームに対する研修やクリーンアップイベントの実施などを行ったことが報告され、現地の方々のリサイクル意識の変化などが紹介されました。
クリーンアップイベントには、100名を超える多くの市民が参加されたそうです。約半分は地域の子どもたち。皆さんとても熱心に、そして笑顔で頑張ってくださったと報告がありました。
湖のごみについては、問題があることは分かっていたものの、どのような解決方法があるのか、何から手を付ければ良いのかなどが分からず、これまでは何もできなかったとのこと。推進チームの研修会や地域住民たちを巻き込んだイベントを実施したことにより、自分ごととして取り組むことの重要性が参加者に芽生えつつあります。

国際協力は外国でしかできないの?

国際協力は草の根技術協力のような事業に参加しないとできない、海外でしかできないと思っている方も多いかもしれません。でも実は個人でも参加できる国際協力の形があるんです。そこで学生にとって比較的身近なJICA事業である海外協力隊についてJICA岡山デスクの長谷川から紹介し、協力隊経験者である築地氏からは協力隊から始まったキャリアの歩みについても語られました。また、国内でもできる取り組みとして、公益財団法人岡山県環境保全事業団の多田氏、および岡山大学環境部ECOLOの田口部長から、大学生が主体的に参加できる活動に関する情報共有がありました。

日々の生活に結び付いた、私たちにとって身近なプラスチック問題。カンボジアでの取り組みについて学びつつ、問題解決に向けて、一人ひとりが何をすべきかを考えさせられる2時間でした。

関連リンク:
「カンボジア・トンレサップ湖における水上集落住民参画型プラスチック汚染対策事業」進捗をご紹介しています。
草の根技術協力事業について

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