【実施報告】倉敷市教育委員会 倉敷教育センター・JICA中国連携「初任者研修-国際教育講座-」

2023.08.21

日 時:2023年7月21日(金)13時から16時
場 所:ライフパーク倉敷 大ホール
参加者:岡山県倉敷市 小・中学校新規採用教諭 89名
主 催:倉敷市教育委員会 倉敷教育センター
協 力:JICA中国


 岡山県倉敷市は2020年に国(内閣府)の「SDGs未来都市」に選定され、全国的にもESD(持続可能な開発のための教育)への取り組みが先駆的な地域です。その倉敷市で今年度教員になられた方を対象にした初任者研修で、JICA中国が講義と演習を担当しました。
 グループでの自己紹介から始まり、異文化を疑似体験するゲーム「バーンガ」では、ゲームの中で起こったことやそれに対する自分自身の感情を整理してもらいました。そして、それらの状況や気持ちのゆれを日常生活で感じることはないかを考えてもらうことで、異なる価値観に触れることは決して外国だけではないことを再認識していただきました。
 また、学校現場における異文化理解、多文化共生についてもグループで考えてもらいました。テーマは「外国から来た転校生のピアスは許される?」。動画を見ながら、自国の文化と家族との愛情を大切にしたい転校生、日本に来たら日本の学校の決まりを守るべきだと主張するクラスメイト、その間に立たされて困惑する学級委員の3者になりきり、それぞれの想いや考え方を踏まえて意見交換をしてもらいました。国や宗教が違うことで、服装や食事の内容、習慣が異なることは少なくありません。外国につながる子どもが日本の教室に増えている今、学校の先生方もこのような日常的な「ちがい」に直面する機会が多いのではないでしょうか。他者を理解して異なる価値観を尊重することと日本の文化習慣を大切にすること、現実的な課題を先生方は懸命に考えてくださいました。

JICA岡山デスクの講義

グループでの自己紹介

参加型で学びあいました

世界と私たちの生活とのつながりを考える

 参加された先生からは「自分自身の当たり前が子どもたちにとっての当たり前ではないということに気付くことができました。授業中の姿や友達との関わりの中といった様々な場面で、その言動の背景にある事象を丁寧に探っていくことが大切であると学びました」、「『国際教育』と聞くと、どこか自分とは縁遠いような研修のように感じていました。今回の活動を通して、他の人と意思疎通できないもどかしさを実感することができました。参加型手法のすばらしさを学びました」、「日本と世界の違いだけでなく、日常の様々な場面に違いがあるということを改めて理解することができました。自分の中で受け入れることだけでなく、知ることや理解しようとする姿勢が大切だと感じました。今日のアクティビティを学級でも行ってみたいと思いました」といった感想が上がりました。
学校現場が多様化し、先生方が学ぶべき課題が次々と増えていく中でも、倉敷教育センターは国際教育の意義とその視点を重要視して下さり、JICA中国との連携は8年以上続いています。JICAはこれからも、教育現場で活躍される先生方へのサポートを通じて、グローバルな視野を持った子どもたちの育成に貢献していきます。

関連リンク:
倉敷市教育センター HP
JICA地球ひろば「先生・生徒のお役立ちサイト」

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