【実施報告】広島県立教育センター・JICA中国連携講座「国際教育-SDGs×多文化共生『私たちが創る未来』を考える授業とは?」

2023.09.05

日時:2023年8月7日(月)
   9時30分から16時30分(内、10時30分から12時00分、13時00分から14時30分をJICAが担当)
場所:JICA中国
主催:広島県立教育センター
後援・協力:JICA中国

多文化共生社会を実現するために

広島県立教育センターがJICA中国と連携して実施する本研修は、今年度で13年目をむかえました。今年は「持続可能な社会の創り手やグローバル人材の育成に向けた、ESDの視点を生かした国際教育の充実に資する授業づくりのために、実践的指導力やグローバルな視野を身に付ける」ことを主なねらいとして開催され、広島県内の小、中、高、特別支援学校に勤務される25名の先生方がご参加下さいました。
午前中は異文化理解をテーマにしたセッションでした。文化習慣の衝突を疑似体験するゲーム「バーンガ」にご参加いただき、ゲームの中で起こったことやそれに対する自分自身の感情を整理してもらいました。その後、広島県JICAデスクの新庄芳菜恵推進員から青年海外協力隊員としてヨルダンで過ごしたときの異文化体験を話してもらいました。難しいアラビア語の壁、イスラム教を背景にした習慣の違いとそれらに慣れていったこと、そして日本に帰国してから抱いた逆カルチャーショックについて、自身が少数派の側に立ったことで初めて気づいたことや想いを赤裸々に語ってくれました。参加の先生方には、前半のゲームで自身が抱いた感情と重なる点を意識しながら新庄推進員の体験談を聞いて頂きました。そしてさらに、それらの感情や状況が私たちの身の回りで起こることはないだろうか、誰にどんな場面で起こる可能性があるだろうか、を改めて考えてもらいました。
午後も引き続き、異なる価値観を理解することについて考えていきました。私たちは多様な価値観を尊重し、すべての人の個性が発揮される社会が望ましいと考えます。しかし、日常生活で文化や風習が衝突したらどうするのか、身近なシチュエーションである学校を舞台にした動画を見ながら意見交換をして頂きました。

異文化理解のワークショップ

新庄推進員の異文化体験談

積極的にご参加くださいました!

JICA中国がある広島県の学校にも、外国につながる子どもが増えています。もちろん日本人同士でも宗教や信条、バックグラウンドが異なることはしばしば。体験談やワークショップを通じて、異文化理解や多様性の受容は私たちの日常生活に常にあることを参加者全員で再認識した1日となりました。

ご参加の先生からは「体験したゲームは人権学習、多文化共生理解に役立つ内容で、道徳や総合的な学習の時間、クラス経営に生かされると思った」、「多文化共生社会を実現するために必要なことや方向性をじっくりと考えることができた」、「答えのない問いに対して考え続けることの大切さを学びました」、「普段の学校現場ではあまり触れられない課題を深く考えることができ、視野を広くする機会になった」といった感想が寄せられました。
学校現場が多様化し、先生方が学ぶべき課題が次々と増えていく中でも、広島県立教育センターは国際教育の意義とその視点を重要視して下さり、地域の様々な機関との連携を通じて現場の先生方へ多くの有益な情報と学びの機会を提供されています。
JICA中国はこれからも、広島県立教育センターをはじめとする各地の教育機関との連携を通して、現場で活躍する先生方のサポートに尽力していきます。

■ 関連リンク:
広島県立教育センター HP
JICA地球ひろば「先生・生徒のお役立ちサイト」

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