イベント報告:JICA留学生合宿セミナーの実施 ―京都・神戸・JICA関西で学ぶ―

2024.04.15

3月11日から13日の3日間、関西の大学院で学ぶJICA留学生(以下、留学生)を対象に合宿セミナーを実施しました。本セミナーは、留学生間の交流の促進・ネットワーク構築、関西地域の発展や文化についての理解促進を目的とし、3日間を通して総勢68人が参加しました。

【1日目】京都:和歌を通じた京都の歴史理解と観光振興&国際かるた大会

3月11日(月)、JICA留学生65名が京都・大覚寺で英語版百人一首のかるた大会に挑みました。
英語に訳された百人一首の歌がよまれると、JICA留学生たちのまなざしは真剣そのもの。一番多く札を取ったフィリピン出身のJICA留学生は、上の句からその和歌によまれているストーリーを想像してかるたを取ったと語っていました。
かるた大会に先立ち、万葉集や百人一首などの英訳を行ったピーター・J・マクミラン氏からの講義は大変興味深く、日本の和歌によまれている日本の風景や日本人の心情などを学びました。午後は、藤原定家が百人一首を編纂したと伝わる時雨亭があったとされる嵯峨・小倉山の3つのお寺(常寂光寺、二尊院、厭離庵)を訪問。
日本文化の奥深さと魅力を再発見したばかりではなく、留学生が自分自身そして自分の国の文化や発展について考えることができた、とても充実した1日でした。

心を込めて札をよみあげる留学生とピーター先生

大覚寺でのかるた大会

常寂光寺にて

【2日目】神戸:阪神・淡路大震災を学ぶ

3月12日(火)は、神戸市長田区のふたば学舎を訪問し、午前中は神戸市が実施している「防コミ」の取組みについて学び、午後は震災体験学習プログラムに参加しました。避難所体験ではグループで居住スペースを作りました。研修員は居住スペースで寛ぎつつも、「避難生活が長くなると、衛生状況の悪化や感染症の問題やストレス等もあるよね」等の感想をもったようです。その後のまち歩きでは、ガイドの方が当時の写真を交えて説明してくださり、被災からの復興の道筋を追体験できました。

ふたば学舎での避難所体験

防災コミュニティの方から当時の様子を伺う

まち歩き:鉄人28号モニュメント前にて

【3日目】JICA関西:異文化交流フェスタ

3月13日(水)は、JICA関西でインターン中の日本人大学生3名が企画した異文化交流フェスタを開催。関西学院大学文化総部能楽部4名による能パフォーマンスでは、JICA留学生が観劇のみならず、能面の感情表現や動作を実際に体験することで、日本の伝統文化を興味深く学びました。
クイズ大会では、漢字、関西の府県、留学生の出身国にちなんだ問題などが出題され、チームで答えを考え出す過程を楽しみました。また、多くの留学生にとって初めての経験となったじゃんけん列車では、列が長くなるにつれて熱気も増し、じゃんけんをする度に大歓声が上がりました。さらに、有志の留学生による出し物では、エチオピアの歌やベトナムの武道、詩の朗読、トークショーなどが披露され、大いに盛り上がりました!

今回の合宿セミナーは、「シェア&コネクト」をキーワードに企画。これから世界のリーダーとなっていくJICA留学生たちが、日本での様々な体験を共有し、留学生同士の繋がりを深め、今後の更なる活躍への力となることを願っています。

関西学院大学能楽部メンバーのみなさん、すばらしいパフォーマンスをありがとうございました!!!

能面から見た世界はいかに?!? 体験したことで日本の伝統文化をより身近に感じられるようになりました。

大いに盛り上がった、じゃんけん列車

(開発大学院連携課)

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