【報告】 2023年度 教師海外研修 事前研修を実施しました

2023.09.07

教師海外研修の一環として、2023年6月から7月にかけて、JICA横浜において事前研修を実施しました。今年度は10名(小学校7名、中学校1名、高校2名)のメンバーで研修がスタートしました。

今年度の研修先はブラジル連邦共和国です。「多文化共生と移民」を研修テーマとし、ブラジルや日系人の方々の生活・文化に触れることを通して、多文化共生や移民への理解を深め、帰国後は、現地での経験をいかしたワークショップ(参加型学習教材)の作成を目指します。

6月24日(土)第1回事前研修:チームビルディング・ゴールの共有

第1回事前研修では、チームビルディングを目的に、自己紹介やチームのゴール、そしてチームとしてどのように研修を進めるか、について共有する時間となりました。参加者10名とスタッフ全員がチームとして、互いに化学反応を起こすような研修を目指そうと意を決しました。

また、参加者が考える「多文化共生」の理想の姿と児童生徒の現状の比較、「国際理解教育/開発教育」について知りたいことや深めたいことなどを共有する時間をとりました。今後の研修で習得すべき具体的なトピックが整理されました。

緊張気味の参加者。いよいよ研修スタートです!

7月8日(土)国際理解教育/開発教育 教員セミナー(基礎編)

教師海外研修参加者は、国際理解教育/開発教育教員セミナー(基礎編)に参加しました。セミナーでは、「方法と教材化論」に焦点をあて、国際理解教育/開発教育の基礎概念を学ぶ講演、開発教育の基本手法を学ぶワークショップの体験をしました。

かながわ開発教育センター(K-DEC)代表の山西優二氏より、国際理解教育/開発教育の基礎概念について、これまで開発教育が辿ってきた歴史を振り返りながらお話しいただき、日々の実践で悩む先生方によってヒントや後押しを得られた様子でした。

また、K-DECの皆さまより、開発教育の基本手法を体験するワークショップを実施いただきました。ワークショップでの参加者同士のディスカッション等を通じて、関係性がさらに深まる時間となりました。

山西優二氏の講演の様子

7月15日(土)・16日(日)第2回事前研修:国内フィールドワーク

第2回事前研修は、2日間の日程で開催し、1日目にはJICA中南米部南米課担当者から歴史や政治・経済、ブラジルにおけるJICAの具体的な活動説明が行われました。

また横浜市鶴見区でフィールドワークを行い、NPO法人ABCジャパンを訪問し多文化共生、定住外国人の自立、子どもの教育保障の面から、活動についてお話しいただきました。

他にも、ブラジル食品などを中心に取り扱うスーパーや南米のお店や沖縄物産店が立ち並ぶ仲通りを散策し、日系人の方が開いているレストランに立ち寄り夕食をとりました。実際に街を歩くことで、多文化が共生している様子について参加者は感じたようでした。

2日目には、海外日系人協会の小嶋茂 氏より「日本人移民の歴史と日系人の現在」と題し、日本人移民についてご講演いただいた後に、海外移住資料館での解説を実施いただきました。参加者はそれまではうまく整理できていなかった移民について、小嶋氏からの説明を通して理解を深めたようでした。

その後、IAPE(イアペ・外国人児童生徒保護者交流会)顧問の沼尾実氏より、鶴見の歴史や鶴見での多文化共生にかかる取り組みについてお話いただきました。1日目にフィールドワークで訪れた鶴見区での活動に参加者はとても興味を持ちながら聞いていたようでした。

NPO法人ABCジャパン見学の様子

事前研修を終えて

事前研修でのチームビルディング、開発教育のワークショップ体験、国内フィールドワーク等を通じて、参加者10名の海外研修に向け準備が整ったようでした。海外研修にて実際にブラジルを訪れて、今回の研修のテーマである「多文化共生と移民」について学びを深めました。その様子についても、後日HP等で報告いたします。

教師海外研修とは

教師海外研修は、国際理解教育や開発教育に熱心に取り組んでいる小・中・高の教員のみなさんを対象に、開発途上国における国際協力の現場を実際に体感することを通じて、途上国の現状や日本との関係について考え、その経験をそれぞれの教育現場で、児童・生徒の皆さんに伝え広げていただくことを目的として実施しています。

2023年度JICA横浜 教師海外研修について、詳しくは以下をご参照ください。
https://www.jica.go.jp/yokohama/enterprise/kaihatsu/kaigaikenshu/index.html#a01

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