インド・ムンバイ湾横断道路開通式典開催:インド第一の経済都市ムンバイの成長を後押し

2024.01.17

1月12日、インド共和国(以下「インド」)マハラシュトラ州ムンバイ市において、円借款「ムンバイ湾横断道路建設事業(第一期)~(第三期)」によって整備されたムンバイ湾横断道路(Mumbai Trans Harbour Link(以下、MTHL))の開通式が開催されました。

ムンバイ湾横断道路(写真提供:ムンバイ都市圏開発庁(MMRDA))

数万人の政府・事業関係者や地元住民が参加した式典には、インド側からはモディ首相、シンデ・マハラシュトラ州首相など、日本側からは、鈴木在インド特命全権大使、斎藤JICAインド事務所長らが出席しました。

開通式典の様子(右から鈴木大使、シンデ州首相、4人目モディ首相)

ムンバイは約1,800万人の人口を有し、インドの金融・商業の中心地として知られています。半島の先端に位置し都市開発の余地が少ないことから、対岸に位置するナビムンバイ地域(現地語で新ムンバイの意)に経済特区や新空港の建設を進めています。しかしムンバイとナビムンバイの行き来には湾を周回する必要があり、両都市が一経済圏として成長するにあたって連結性の低さが課題となっていました。

MTHLはこの両都市を約22キロ、6車線の海上道路で結ぶ、インドで最長の海上横断道路です。70年代の構想開始から約50年、ムンバイ市民にとって夢の事業は日本の協力により実現の日を迎えました。本事業により、両都市の移動時間が1時間超から20分弱に短縮されると期待されています。利用者の交通利便性の向上に加え、ムンバイ市内の慢性的な交通渋滞の緩和、両岸の連結性向上とそれに伴う経済社会活動の活性化も期待されます。

また、この海上道路の施工には、日本で多くの実績がある「鋼床版箱桁」の技術がインドで初めて採用されました。この工法により橋桁を持ち上げる支柱の間隔を従来の方法より延ばし、支柱の数を減らすことができました。加えて、橋桁の一括架設を行うことで工事期間が短縮され、周辺環境への負荷が軽減されました。

式典においてモディ首相は、MTHLの夢が現実のものとなったとして、ムンバイ都市圏及びマハラシュトラ州の更なる経済発展への期待を述べました。また、その夢を共有し実現を支援した日本政府に対し感謝の言葉が寄せられました。MTHLは成長著しいインド経済の中心都市ムンバイにおける日印協力の新たなシンボルとして、ムンバイ大都市圏の発展に貢献することが期待されます。

JICAはMTHLのほか、ムンバイメトロ等のインフラ整備も行っており、今後も同地域の更なる発展を支援していきます。

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