ジブチで「フクザワ」中学校に続き「ニトベ」小中併設校が開校:就学継続強化のモデル校に

2024.02.02

1月31日、ジブチの首都ジブチ市において、無償資金協力「バルバラ地区ナッシブにおける小中学校建設計画」(2020年贈与契約調印)で建設された「新渡戸稲造基礎教育学校」の開校式典が開催されました。ジブチ側からはゲレ大統領をはじめとし、ムスタファ国民教育・職業訓練省大臣らが出席、日本側からは原在ジブチ日本国特命全権大使、金田JICAジブチ事務所長らが出席し、本学校の完工と開校を祝いました。

銘板前で握手するゲレ大統領(右手前)と原大使(中央)

日本のジブチへの経済協力は1982年に始まりました。1995年に無償資金協力で建設されたジブチ市の「フクザワ中学校」は、当時の教育大臣が福澤諭吉にちなんで命名しました。この度の日本人教育者「新渡戸稲造」の名前を冠した学校の開校により、日本とジブチの友好の新たな象徴が誕生しました。ジブチの教育分野の発展において両国間では長年の協力関係があり、本校がジブチにおけるモデル校として発展していくこと、また、両国間の友好関係が長く続くことを願い、日本の道徳を世界に発信した教育者である「新渡戸稲造」の名前が校名として選ばれました。

新渡戸稲造基礎教育学校のあるバルバラ地区は、ジブチ市旧市街の南部に隣接する郊外エリアで、人口が密集し飽和状態にある旧市街の状況を改善するため、2012年に策定された国家都市開発戦略(SNDU)において、新たに都市化する拠点に指定された地域のひとつです。バルバラ地区南部に位置するナッシブは同地区の中でも開発が急速に進められており、人口も2017年には1,800人でしたが、2019年には6,500人と急増し、2025年には19,800人まで増加する見込みです。

小学校と中学校を併設した本学校の全校児童・生徒数は2,640人となる計画で、増加を続ける同地域の子どもたちに9年間の一貫した義務教育を提供する受け皿になります。教育技術面の強化と小学校から中学校への継続性のある指導を可能にする就学環境を備えたモデル校としての役割が期待されています。

授業を見学する様子

開校式典では、ゲレ大統領と原大使が記念碑を除幕し、地域の児童・生徒や住民と開校を祝いました。ゲレ大統領は、同地域の社会インフラ開発に強い思いを持っており、その中で今回本校が開校したことを大変喜ばしく思うと述べました。
また、日本政府を代表して原大使は、教育者であり国際連盟事務次長を務めた新渡戸稲造のように、ここで学んだ子どもたちが将来的にジブチと日本や世界との懸け橋として活躍することを期待するとともに、質の高い教育実現には家庭や地域住民の協力が重要であると述べました。

今後、新設された基礎教育学校がジブチと日本の交流の拠点となり、両国の友好関係が発展していくことが期待されています。

開校を祝う子供たち

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