JICA COVID-19-日本の経験を共有する-ウェビナーシリーズ第10回を開催「ウィズ・ポストコロナのより強靭なUHCにむけた医療提供体制」

掲載日:2021.12.09

イベント |

概要

会議名:JICA COVID-19-日本の経験を共有する-ウェビナーシリーズ第10回
開催日:2021年12月9日
主催:JICA
場所:オンライン

主な参加者

スピーカー:(発表順)

坂元 晴香 氏(東京女子医科大学 准教授)
和田 耕治 氏(国際医療福祉大学 教授)
Dr Margaret Kaseje(Director, The Tropical Institute of Community Health and Development Trust, Kenya)
Dr Tran Thi Mai Oanh(Director, Health Strategy and Policy Institute, Ministry of Health, Viet Nam)
Dr Walaiporn PATCHARANARUMOL(Director, Global Health Division, Ministry of Public Health, Thailand)

モデレーター:

牧本 小枝 氏(JICA緒方貞子平和開発研究所 主席研究員)
杉下 智彦 氏(東京女子医科大学 教授)

背景・目的

COVID-19パンデミックの収束が未だ見えない中、このような先行き不透明な困難を乗り越えていくために、日本は「誰の健康も取り残さない」ことを目標に掲げました。JICAはパンデミックや健康危機への対応に向け、パートナーである低中所得国において、治療、警戒、予防の強化に包括的に取り組んでいきます。これにより、世界の人々の命と健康を守り、感染症に負けない強靭な社会を作っていくことに貢献します。

決定的な解決策が見いだせていない中、最新の研究や現場で培われてきた知見・経験を世界と共有していくことは非常に重要です。JICA COVID-19-日本の経験を共有する-ウェビナーシリーズでは、日本でその分野の第一人者の専門家をスピーカーとしてお呼びし、それぞれの分野での最新の知見・経験を世界へ発信・共有していきます。

内容

第10回は、医療提供体制の改編がコロナ禍でどのように行われてきたのかを取り上げました。各国は、他の保健医療課題への影響を最小限にとどめつつCOVID-19の流行に対応するために、病床再編や人材確保、オンライン診療の活用といった保健医療サービス提供の変更を迅速に行うことが求められてきました。そのような対応がどう行われたのか、迅速な再編を可能とする法体系などがすでにあったのか、あるいは新たなイノベ-ションがあったのかなどについて、JICA緒方研究所の研究班メンバーの坂元准教授からの国際比較研究の初期分析の報告のあと、日本、ケニア、ベトナム、タイの4か国の事例が共有されました。

5名の登壇者からは、各国での取り組みとして、医療従事者や民間病院の動員、リスクコミュニケーションとコミュニティ・エンゲージメントを通じた感染予防行動の徹底による医療負荷の抑制、リモート診療の導入、在宅医療の活用、それらに必要な事前の法整備と経済的インセンティブなどについて報告されました。また、直面した課題として、動員された医療従事者への研修、将来への大きな財政負担、地方自治体のリーダーシップや管理能力、データシステムなどが共有されました。

世界46か国及び地域から244名の参加があり、パンデミックでの医療提供体制の改編を阻害する要因、公平性の確保の工夫などについて活発な議論が展開されました。ウイズ・ポストコロナ時代のより強靭なUHCの実現に向け、どのように医療提供体制を備えていくことが必要なのか、議論を続けていく必要があります。

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ウェビナーの様子(坂元 晴香 氏)

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ウェビナーの様子(和田 耕治 氏)

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ウェビナーの様子(Dr Margaret Kaseje)

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ウェビナーの様子(Dr Tran Thi Mai Oanh)

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ウェビナーの様子(Dr Walaiporn PATCHARANARUMOL)

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ウェビナーの様子(杉下 智彦 氏)