【COP28サイドイベント】COP27からCOP28への道-エジプトにおけるグリーンで持続可能なへのエネルギー転換の飛躍

掲載日:2024.01.15

イベント |

報告者

佐野 悦子
JICAエジプト事務所
企画調査員

概要

開催日: 2023年12月5日
主催:エジプト電力再生可能エネルギー省
JICAはパネリストとして参加
会場名(パビリオン名):エジプト・パビリオン

登壇者

アムガッド・アシード
電力再生可能エネルギー省(MoERE)
法律アドバイザー

モハメッド・ムサ・オムラン
エジプト電力規制・消費者保護庁(Egypt-ERA)
議長

ハーリッド・ハムザ
欧州復興開発銀行(EBRD)
エジプト事務所長

アティカ・ベン・メイド
フランス開発金融公社(AFD)
気候・自然局副局長

マヤダ・マグディ
JICAエジプト事務所
次長

和田 浩平
マッキンゼー・アンド・カンパニー・ジャパン
アソシエイトパートナー

背景・目的

「共に実行する」というスローガンのもと、COP27がエジプトで昨年開催されて以降、エジプトでは法整備やプロジェクトの開始等によって、エネルギー転換が急速に進んでいます。

エジプトは太陽光や風力、バイオマス等の再生可能エネルギーに恵まれている一方で、気温の上昇によって、干ばつの頻発や農作物の生産量を低下につながる可能性があります。これは、持続可能な発展のためによりクリーンなエネルギーへの転換と食糧安全保障を同時に達成することをより難しくします。

エジプトにおけるエネルギー転換の柱は、産業の脱炭素化、サステナブル・ファイナンス、技術革新とイノベーション、省エネです。

このパネルディスカッションでは、エジプト政府によるエネルギー転換の取り組みとして再生可能エネルギー導入と省エネの推進を通して脱炭素を推進するために、どのように民間セクターとの連携を進め、資金を得ていくかについて議論しました。

内容

エジプト政府代表は、脱炭素化を促進するためにCOP27以降に実施された様々な取り組みとして、EBRDの支援による発表間近の低炭素水素戦略の策定、グリーン水素のためのエジプト国家評議会の設立、民間セクターとの連携による再生可能エネルギーの推進に向けた様々な取り組みについて説明しました。AFDとEBRDは、特に再生可能エネルギーと省エネにおけるエジプト政府との協力に言及し、EBRDが水素戦略を実現するための協力を継続すると発表しました。

JICAからは、エジプト事務所のマヤダ次長がパネリストとして参加し、COP27の成果を受けたエジプトでの最初のJICAによる海外投融資である500MWコムモンボ太陽光発電プロジェクトを含む、エネルギー分野におけるJICAの投資と協力を紹介しました。この太陽光発電プロジェクトは、エジプト政府が「国が決定する貢献(NDC)」を達成するために優先的に推進するプロジェクトとして選定された「Nexus of Water, Food and Energy(NWFE)プログラム」に含まれています。

また、2023年5月のG7広島サミットで岸田総理が気候変動対策を加速する民間企業を支援すると表明したのを踏まえ設立された「気候変動対策推進ファシリティ」(Facility for Accelerating Climate Change Resilient and Sustainable Society: ACCESS、海外投融資スキーム活用)についても言及しました。

マヤダ次長はまた、エジプトにはグリーン水素分野で大きな可能性があり、海外投融資を含むJICA各種協力スキームを通じて、エジプトの取り組みを官民両面から支援する可能性を模索していると付け加えました。

JICAは、エジプトにおいて省エネに関する支援もしており、エネルギーデータ管理とエビデンスに基づいた政策設定におけるJICAの技術協力についても説明しました。

エジプトのエネルギー分野においてJICAは、再生可能エネルギーとエネルギー効率の促進に重点を置き、20億ドル相当の各種プロジェクトに貢献しています。

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パネリストの集合写真

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エジプトパビリオンでのパネルディスカッションの風景

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パネリストとしてJICAエジプト事務所のマヤダ次長が参加

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