2019年9月2日
8月28日から30日まで横浜で第7回アフリカ開発会議(TICAD7)が開催されました。今回は、「アフリカに躍進を!ひと、技術、イノベーションで」をテーマに、安倍晋三首相や、エジプトのエルシーシ大統領(ともに共同議長)など53ヶ国のアフリカの代表が参加し、その成果として「横浜宣言2019」が採択されました。
「横浜宣言2019」では、次の3本柱に関する取組みを通じて、アフリカにおける包括的かつ持続可能な開発を支援していくことが合意されました。
(1)経済:イノベーションと民間セクターの関与を通じた経済構造転換の促進及びビジネス環境の改善
(2)社会:持続可能で強靭な社会の深化
(3)平和と安定:平和と安定の強化
これらに貢献するため、日本政府は、200億ドルを超える民間投資の拡大に向けアフリカにおけるビジネス環境改善に取り組むこと等を発表しました。
JICAは、政府開発援助の実施機関として、今回発表された日本の取組のうち、以下のような具体的な協力に貢献していきます。
(1)産業人材の育成:ABEイニシアティブ3.0、カイゼン・イニシアティブ、女性の起業家支援等
(2)イノベーションと投資の促進:アフリカ開発銀行との共同イニシアティブ(EPSA)による投資環境改善のための協力案件の形成・実施、国内の中小企業・SDGsビジネスのアフリカ展開の推進、アフリカ向け海外投融資の促進等
(3)UHC拡大とアフリカの健康構想:基礎医療アクセスや衛生環境の改善、健康保険普及、食と栄養のアフリカイニシアティブ(IFNA)を通じた子どもの栄養改善等
(4)安定的で信頼される制度の構築とガバナンスの強化:司法・警察・治安維持等の分野を担う人材の育成等
JICAは、8月27日から30日までの4日間にわたり、31件のTICAD7サイドイベントを主催しました。
8月29日に開催したJICAハイレベルパネル「グローバルガバナンスとアフリカの発展」では、ハクジヤレミェ・ルワンダ貿易・産業大臣、アマドゥ・バ・セネガル外務・在外セネガル人大臣、オコンジョGAVIワクチンアライアンス理事長、スティグリッツ・コロンビア大学教授、及び北岡伸一JICA理事長をパネリストに、道傳愛子NHK国際報道局シニア・ディレクターがモデレーターを務め、議論を行いました。
各パネリストからは、アフリカとアジアが相互に学ぶことができる開発経験、アフリカの民間セクター主導型開発、若者と女性の期待への対応、政治的安定のための民主的ガバナンスを軸に活発な議論が行われました。
北岡理事長は、アフリカと日本はお互いの経験から学べるものも多く、共通点や相違点を踏まえ、各国のオーナーシップのもとに、パートナーとしてアフリカの課題に共に取り組んでいきたいと語りました。
8月27日から31日にかけて、北岡伸一理事長は、TICAD7に出席したアフリカ各国首脳や国際機関長らと会談を行いました。各国におけるJICAの取り組みや、TICAD7後の協力のあり方等について意見を交わしました。
【8月27日(火)】
【8月28日(水)】
【8月29日(木)】
【8月30日(金)】
【8月31日(土)】
JICAは、今回のTICAD7開催期間中に行ったアフリカ各国の代表や国際機関などの開発パートナー等との対話を今後も深めながら、アフリカ開発における信頼できるパートナーとして協力を行っていきます。