「アフリカ地域COVID-19対応支援事業」に対する融資契約の調印(海外投融資):アフリカのCOVID-19ワクチン製造支援を含む保健医療セクター強化に寄与

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【SDGsロゴ】1パートナーシップで目標を達成しよう

2022年4月7日

調印式

国際協力機構(JICA)は、3月30日、アフリカ輸出入銀行(Afrexim)との間で、アフリカの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応向け貸付資金として2億米ドルを上限とする海外投融資による融資契約に調印しました。本融資は、三井住友銀行(SMBC)及び三菱UFJ銀行(MUFG)との協調融資により実施されます(注1)。

COVID-19はアフリカにも甚大な影響を及ぼしています。COVID-19により社会経済活動が制約された結果、2020年のGDP成長率はサブサハラアフリカ全体で-1.7%(IMF)、北アフリカ全体で-1.1%(アフリカ開発銀行)等と過去最悪の水準となりました。今後の社会経済活動の円滑な回復のためには、COVID-19ワクチン接種を含めた保健医療サービスの提供が不可欠です。他方、医薬品・医療用器具の不足や病院等のインフラ不足等、アフリカの保健医療体制の脆弱性が改めて露呈し、保健医療体制の強化が重要となっています(注2)。

Afreximはアフリカ51ヵ国の政府が加盟する地域開発金融機関です。COVID-19発生以降、アフリカにおけるCOVID-19による影響が緩和されるよう支援を行っており、本融資もワクチン及び医療品の現地生産能力向上のために利用されます。これは、アフリカ諸国がCOVID-19を乗り越え、非アフリカ産製品や国際的なサプライチェーンへの依存度を減らす目的もあります。

JICAによる本融資は、本邦民間金融機関の資金を動員しつつ、Afreximを通じて、アフリカの民間企業等によるワクチン製造ラインを含む医療品・医薬品の域内製造・供給拠点の整備、病院等保健医療関連施設の整備に利用されます。これにより、アフリカの保健医療体制強化及びCOVID-19からのより円滑な社会経済活動の回復に繋がることが期待され、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール3(すべての人に健康と福祉を)、9(産業と技術革新の基盤をつくろう)、17(パートナーシップで目標を達成しよう)に貢献します。

注1 本件融資は2021年3月30日に導入されたSMBCとJICAの協調融資におけるサステナブルファイナンス・フレームワークに基づき実施され、SMBCの資金もアフリカ地域のCOVID-19からの社会経済活動の回復のために利用されます。

注2 特にワクチンに関しては、アフリカ域内で利用される全ワクチン(COVID-19ワクチンやインフルエンザワクチンを含む) の99%を輸入に依存しています。