コンゴ民主共和国向け無償資金協力贈与契約の締結:IOMとの連携により「地域警察」モデルの普及に貢献

【SDGsロゴ】1平和と公正をすべての人に

2023年1月5日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、2022年12月28日、キンシャサにて、国際移住機関(IOM:International Organization for Migration)との間で、「地域警察活動強化計画(IOM連携)」を対象として5億1,400万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。

コンゴ民主共和国(以下、コンゴ民)は政府による統治が全土に及ばず、現在も国内に紛争地域を抱えています。特に東部地域では20年以上「国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)」による治安維持活動が展開されていますが、今後段階的に縮小・撤収されていく見通しです。MONUSCO撤収後に向けた国内の平和と安定は喫緊の課題となっています。

そうした国内の平和と安定に大きな役割を果たすのが警察の存在です。コンゴ民政府が取り組んでいる国家警察改革では、地域警察活動の普及・促進を中核に置いています。JICAは、長年同国の国家警察改革を支援する取り組みを続けており、2021年からは「市民と平和のための警察研修実施能力強化プロジェクト・フェーズ2」を開始し、コンゴ民政府が改革の中で特に重視する「地域警察活動」に焦点を絞り、「地域警察モデル」を構築する支援を実施しています。

本事業は、主な活動地であるタンガニーカ州とコンゴ民の警察改革の政策拠点である首都キンシャサとにおいて、IOMと連携しながら地域警察モデル導入のための施設建設および関連機材を供与することで、対象地域における地域警察の能力強化および活動の促進を行います。加えて、前述のJICAの技術協力プロジェクトによって構築されつつある「地域警察モデル」の普及を図り、平和と安定の実現を目指すもので、SDGs(持続可能な開発目標)のゴール16(平和と公正をすべての人に)に貢献します。

案件の概要は以下のとおりです。

【案件基礎情報】
国名 コンゴ民主共和国
案件名 地域警察活動強化計画(The Project for Strengthening Community Policing Activities)
実施予定期間 24ヵ月
実施機関 国際移住機関(IOM)
対象地域・施設 コンゴ民東部タンガニーカ州および首都キンシャサ特別州
具体的事業内容(予定) ①タンガニーカ州
施設整備:研修センター、警察署、分署
機材供与:車両、バイク、無線一式等、
地域警察研修:適切なカリキュラムに基づく地域警察研修の実施
地域社会との協働:警察と地域社会間の協力システム(地域安全協議会)構築支援

②キンシャサ特別州
施設整備:警察署、分署
機材供与:車両、バイク、無線一式等