エジプト向け円借款貸付契約の調印：ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成に貢献

国際協力機構（JICA）は、3月27日、首都カイロにて、エジプト・アラブ共和国政府との間で、「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジのための開発政策借款」を対象として440億円を限度とする円借款貸付契約（Loan Agreement: L/A）に調印しました。

「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ（UHC）」は、「すべての人が、適切な保健医療サービスを、支払い可能な費用で受けられる」ことを意味し、「持続可能な開発目標（SDGs）」のターゲットのひとつに掲げられています。エジプトでは急速な人口増加、新型コロナウイルス感染症拡大や物価の高騰などを背景に、国民が公的医療機関で安心して医療サービスを利用でき、かつ医療費の支払いにより貧困に陥ることのない仕組みがこれまで以上に求められています。エジプトは2018年以降、国民皆保険システムの導入に取り組んでいますが、財政上の制約など課題も抱えています。

このような状況を踏まえ、本事業は、財政支援を行うことにより、医療保障システムや保健医療サービスの質改善など国民皆保険システムの実施促進を図り、もってユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成、経済社会の安定及び開発努力の促進に寄与するものであり、SDGs（持続可能な開発目標）ゴール1（貧困をなくそう）、3（すべての人に健康と福祉を）、10（人や国の不平等をなくそう）に貢献します。

事業の詳細は以下のとおりです。

1．借款金額及び条件

2．事業実施機関
財務省（Ministry of Finance）
住所:　Ministry of Finance Towers
Emtadad Ramsis St., Nasr City, Cairo, the Arab Republic of Egypt
電話番号：+20 2 2342 8330

3． 今後の事業実施スケジュール（予定）
（1） 事業の完成予定時期：　2024年7月（貸付完了をもって事業完成）
（2） コンサルティング・サービス（詳細設計等）に係る招請状送付予定時期：本事業においてコンサルティング・サービスの実施は予定されていません。
（3） 本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージの入札公示：本事業においては入札を伴う工事は予定されていません。