小学校教員養成校(PTI)算数・理科教官研修2日目

2011年2月28日

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クラスター分けによる横の連携の理解を深める算数教官

2日目は、PTIに携わる機関と綿密な連携を行うことの重要性の把握と、Plan-Do-Seeの実践に向けて、Planを練る事をメインの内容として展開しました。本研修は、朝9時から17時までの間に、1コマ75分で1日に5コマずつの講義が行われ、昼食を挟んで午前と午後に1回ずつティーブレイクの時間も組まれています。

最初の講義では、質の高い教育を促進させるために、県教育事務所などの上位機関と小学校など下位機関による縦の連携と、クラスター内のPTI同士やPTI実験校同士による横の連携に分けてPTIを中心とした各機関の繋がりを考えました。バングラデシュ全国に57校のPTIがありますが、本プロジェクトではそれらを10のクラスターに分けて横の関係の強化を図っています。このセッションでは話し合いを通して、それぞれの教育機関が密接な連携を取って情報を共有する事、同じメッセージを発信することが重要であるという認識が共有されたように思います。

また、地理的に離れた機関との情報交換の手段として、試験的に算数教官クラスと理科教官クラスとでスカイプによる意思伝達も試みました。現状ではパソコンの性能や通信速度、停電による弊害の懸念はあるものの、将来的に有効な手段となる期待の声が上がっていました。

その後、授業準備と授業観察のための視点を学習しました。これらの内容は明日以降で作成していく指導案作りで考慮すべき視点となり、授業研究会での評価のための論点にもなります。特に、生徒参加型の授業と教具の使用について、熱のこもった意見が出されていました。

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授業観察後、実験校教師の授業展開の意図を聞き出す算数教官

午後からは、近隣のPTI実験校に行き、算数・理科それぞれ2クラスずつに分かれて、前講義で話し合われた視点をもって授業観察を行いました。授業観察の後に実験校教師に授業に対する質問の時間があり、「生徒に対してどうしてそのような質問を用いたのか」、「教科書に載っている問題の一部を使わなかった理由はなぜなのか」、「普段の授業でどの単元を教えるのが難しいと感じているのか」、といった質問が出されていました。授業へのアドバイスの他にも、明日からの自らの指導案作りに向けて現場教師の思考の背景を理解しようと努めている様子が伺えました。

文責:インターン 広島大学 河原 太郎