小学校教員養成校(PTI)算数・理科教官研修3日目

2011年3月1日

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グループに分かれ授業評価し、明らかになったことをまとめる算数教官

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授業観察の観点に沿って各班の指導案を評価する理科教官

3日目は、昨日の実験校での授業に対して分析シートを基に評価し、その評価の観点を踏まえながらPTIでの指導案を作成、模擬授業を行って、4日目のプログラムで近隣PTIのクラスを借りて実践授業を行うグループを選出する事が主な内容になります。前後しますが、C-in-EdとはCertificatein Educationの略で小学校教員養成資格またはPTIで実施される同資格付与のための1年間の課程を指します。PTI教官の中心的な業務はC-in-Edの授業を行うことです。

2日目に観察した実験校での授業は、(1)授業の狙いが実際の授業の中で達成できたか(2)授業構成や学習プロセスは妥当であったか(3)生徒が考え理解するための機会を提供している授業だったか、の3つの観点から評価しましたが、C-in-Ed向けの指導案ではこれらに加えて(4)小学校現場の授業改善にこの授業がどれだけ寄与したか、という観点を加えました。さらに昨日の実験校教員からの聞き取りで、「この単元で教えづらいところは何か?」「子ども達がよく躓くところは何処か」ということが明らかになったため、それらも考慮した上での指導案作成となります。参加者からは上記の観点の他に、時間配分、板書の際の書き方や立ち位置、生徒の状況確認の頻度についての発言が見られました。

ティーブレイクの後は、昨日小学校で授業観察したグループA、BをさらにA1-A3とB1-B3の3つずつに分け、この小グループのそれぞれでC-in-Ed用の指導案を作成しました。参加者各々が自らの案を受け入れてもらうために小グループのメンバーを説得しながら、2時間半の間に大まかな枠組みを完成させました。

昼食後、指導案の詰めを行った後でそれぞれの指導案を発表しました。発表する小グループの所属グループとは別のグループが授業評価を行い、最も評価の高かった小グループがグループAとBの代表となります。そして、その小グループが作成した指導案を基にグループの中で改善を行い、明日近隣PTIで授業を行います。

指導案の評価に当たり、高橋専門家は現場教師に教える立場として新しさのある授業や生徒の立場に立った思考の分析力等にまだまだ課題があるとおっしゃられていました。しかし、落選した算数クラスの小グループの中にも身近な例から括弧のある四則計算の式を作成し、計算練習を行った後、生徒たちに同じように身近な例を用いた文章題を作らせるといった、現在のバングラデシュの算数授業には見られないオープンエンドな活動を含んだ指導案もあり、次第に教官の指導力が向上している様子を感じることができました。

文責:インターン 広島大学 河原 太郎