小学校教員養成校(PTI)算数・理科教官研修5日目

2011年3月3日

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参加者の継続的な改善が大きな変化を生み出すと語る馬場教授

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前日のPTIでの授業の振り返りを行う算数教官と高橋専門家

日本ではひな祭りとなる3月3日が、研修の総まとめの日となりました。最終日は、Plan-Do-Seeのサイクルにおいて、Do-Seeからもう一度Planへの繋げることと、どのように良い教師を現場に届けるか、そのためにPTIはどのような役割を果たすべきかを考えることが主な活動でした。

PTIでの授業の振り返りの時間では、まず授業の観察者から気づいた点を指摘していき、最後に授業の発表者が自らの授業を振り返るという形式が取られていました。観察者からは、生徒に与える指示は一気に与えないで細かく分けるべきという意見や、知識を暗記させるだけの授業で終わらせるのではなく、暗記事項を特徴に基づいて分類分けさせ、生徒の概念的な考え方の獲得に繋げるべきだとの意見もありました。講義の観察を通して、上に記した発言に見られるように研修の中で授業観察を行うごとに参加者の観察の視点が増えており、今後授業研究を促進する者としての能力を向上させているように見えました。その後、指導案を再度改訂し、Plan-Do-Seeの流れを把握する講義を終えました。

理想の教師像を形作る作業においては、生徒主体の考え方ができること、クラスター内におけるPTI同士の連携を強化して情報を共有すること、Plan-Do-Seeを算数や理科だけでなくその他の業務にも活用していくこと、模擬授業を行い評価すること等、参加者がこの研修を通して習ったことを競うように語っていました。

閉会式では、参加者からは新しくネットワークという考え方ができるようになったと話されました。また、本プロジェクトの副統括でもある広島大学の馬場教授からは「塵も積もれば山となる」の諺を例えに、参加者の努力の積み重ねが大きな成果に繋がること、NAPE所長からは本プロジェクト協力の下に作成した小学校教員用指導案集で、全小学校教師訓練機関に配布されている教育パッケージを活用し、教育の現場となる学校まで広げるようにと話されていました。

今後、継続的に参加者の行動変化を観察する必要があるものの、参加者自身がこの研修を通して自らの変化を感じており、NAPEの所長も、参加者が縦と横との連携から新しい知識を取り入れ、その変化を下部機関へ普及させることを奨励されていたことから、この研修の狙いの大部分は達成されたと感じています。

文責:インターン 広島大学 河原 太郎