小学校カリキュラムに関するワークショップ及びセミナーを実施しました

2011年7月31日

7月23日〜28日、ダッカ近郊のサバールにおいて、宿泊形式の小学校カリキュラムに関するワークショップを、また7月31日には、ダッカのホテルにおいて、カリキュラムセミナーを、それぞれ国家カリキュラム教科書委員会(NCTB)主催、JICA後援にて実施しました。

宿泊形式の5日間のワークショップでは、NCTBの職員の他、大学の退官した教官などカリキュラム改訂関係者が、30名程度参加しました。この30名が、算数、理科のグループに分かれて、広島大学の清水先生、埼玉大学の二宮先生のご指導の下、活発な議論が展開されました。

まず、現在のカリキュラムの目標、達成能力などの記載を吟味し、その結果を共有しました。また評価に関し、前フェーズで制作した小学校カリキュラム報告書の内容、PISA、TIMSSの紹介を通じてバングラデシュの小学校のカリキュラムを適正な評価方法を考慮して改訂することが重要であることを共有しました。その後、算数、理科のそれぞれのグループに分かれて、選んだ単元の改訂作業を実施し、ドラフトを最終日に発表して、セミナーにむけての修正点等を話し合いました。

ワークショップ開始当初から、前回2001年のカリキュラム改訂に関わった関係者を中心に「バ」国のカリキュラムに全く否はなく、間違いもなく、評価の方法にのみ問題があるのだ、といった主張が繰り広げられ、議論につぐ議論で、一時はどうなるかと思いましたが、最終的に、改善の必要がある、という点は理解が得られたものと思います。

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ワークショップ算数グループの議論の様子

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ワークショップ理科グループの議論の様子

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ワークショップ全体発表の様子

引き続き31日に開催したセミナーでは、3月に開催したセミナーと同様に、初等大衆教育省(MOPME)次官、国家カリキュラム教科書委員会(NCTB)委員長、初等教育アカデミー(NAPE)局長、を中心として80名程度の政府初等教育関係者が集まりました。カリキュラムワークショップで作成した、算数・理科それぞれの単元についてのカリキュラムのサンプルをそれぞれのグループが、カリキュラムセミナーで発表しました。また、現在の小学校カリキュラム改訂の現状、今後のスケジュールについても、NCTBから発表がありました。教育省傘下のNCTBと初等大衆教育省傘下のDPEその他の機関とが共同でカリキュラムに関するセミナーを開催したこと自体が大きな進歩と言え、またBRAC大学の研究者も参加し知見を共有する場面もあり今後の展開が期待されるものとなりました。このようなワークショップ・セミナーを来年次も引き続き開催することになっており、小学校カリキュラム改訂にその成果が活かされることを期待しています。

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セミナーの様子:JICAバングラデシュ事務所古田次長ご挨拶

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セミナーの様子:カリキュラム改訂スケジュールの発表

文責:研修管理・モニタリング1 笹間 郁子