プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)持続可能な都市開発能力強化プロジェクト
(英)Project for Strengthening the Capacity on Sustainable Urban Development

対象国名

ブラジル

署名日(実施合意)

2022年3月10日

協力期間

2022年3月1日から2024年2月29日

相手国機関名

(和)イプキ(クリチバ都市計画研究所:職員約180人)
(葡)IPPUC(Instituto Pesquisa Plan Urbano de Curitiba)

背景

クリチバ市はブラジル国南部に位置するパラナ州の州都であり、430平方キロメートルの面積に約200万人の人口を有する国内南部の最大都市である。1970年代以降、自動車産業を中心とした製造業や観光業を主軸としてブラジル国内でも比較的高い経済力を有する。
同市では、1966年に承認された都市基本計画に基づき、5つの都市軸に沿って、BRT(Bus Rapid Transit)の導入による公共交通と都市の一体的な開発が進められるとともに、歴史的市街地保全再生および緑地整備等がなされており、豊かな居住環境を有する都市として世界的に評価が高い。クリチバ都市計画研究所(Instituto de Pesquisa e Planejamento Urbano de Curitiba:IPPUC)は、市長直轄の組織として1965年に設立され、クリチバ市の都市計画の策定をはじめとして、都市政策の立案や調査研究および事業の一部実施を担ってきている。
近年、クリチバ市では、当初の計画を超える人口の増加と高齢化や気候変動の影響を踏まえ、新たな社会課題が顕在化している。国連(2019年)によれば、ブラジルの高齢化率は2030年には14%、2050年には22%まで上昇すると報告されているほか、IPPUC(2014年)も、気候変動および都市化に伴いクリチバ市内における洪水発生件数が増加していることを報告している。
顕在化する新たな社会課題に対し、IPPUCは、SDGsの実施に沿ったスマートなソリューションを促進するためのイノベーションエコシステムを構築するための「スマートシティ運動」や「イノベーションハブの設立」などの取り組みを進めている。ICT等のスマート技術を活用した新たな都市課題に対応したスマートかつ持続可能な都市の発展を目指し、都市ビジョンや行動計画の策定を進めているところである。
かかる状況を背景として、IPPUCはスマートかつ持続可能な都市発展に向けて日本の防災および高齢社会関する都市政策とスマートなソリューションの適用に関する技術協力を日本政府に要請した。

目標

上位目標

スマートかつ持続可能な都市開発に関する政策および知見が活用され、広く共有される。

プロジェクト目標

クリチバと日本におけるスマートかつ持続可能な都市開発に取り組みを促進するための効果的な知見および政策が策定される。

指標及び目標値

1)スマートかつ持続可能な都市開発の促進に資する幅広いナレッジの件数
2)スマートかつ持続可能な都市開発を促進するための政策の策定数

成果

1.スマートかつ持続可能な都市開発の促進に資する幅広いナレッジが整備される。
2.スマートかつ持続可能な都市開発を促進するための政策が策定される。

活動

1.スマートかつ持続可能な都市開発に関する、世界の政策潮流や教訓、ナレッジ等について、以下に挙げる点を踏まえて、分析及び取りまとめを行う。
1-a.最新の政策動向
1-b.世界、日本、クリチバにおける成功例・プロジェクト
1-c.スマートかつ持続可能な都市開発を効果的・効率的に実現させるためのフレームワーク、システム、実施体制

2-1.日本とクリチバにおける現状とスマートかつ持続可能な都市開発推進に対する課題について分析する。
2-2.防災や高齢化社会等のテーマに対するスマートな技術の適用・活用方法について検討する。
2-3.上記活動を踏まえ、クリチバ市におけるスマートかつ持続可能な都市開発促進のための政策を策定する。
2-4.セミナー及び国際会議にて本プロジェクトの成果案を発表し、議論する。

投入

日本側投入

専門家派遣

A)スマートシティ戦略・政策
B)スマートシティ技術
1)本邦研修(スマートシティ実例研修)
2)国際会議・セミナー等

相手国側投入

1)カウンターパートの配置
2)案件実施のためのサービスや施設、現地経費の提供