プロジェクトニュース_06

2014年4月31日

参加型保護区管理メソアメリカセミナー

プロジェクトの目標は、コスタリカの参加型生物多様性保全の経験、知見を国内外で共有していくことですが、国外との共有のための最初の活動として、3月15日から17日の3日間、「参加型保護区管理メソアメリカセミナー」を開きました。メソアメリカという言葉は日本では聞きなれないと思いますが、地理的には、メキシコの南部からパナマまでの地域を指します。この地域は熱帯地域であることと、文化的にも共通のものが多いことから、中米地域での自然保護を語るときには、メソアメリカと言う概念が使われることが多いです。また、スペイン語圏と言うくくりでは、カリブのドミニカ共和国も、例えば中米統合機構(SICA)のような地域連合の中に入ってくることもあります。
前置きが長くなりましたが、プロジェクトでは、メキシコ、ベリーズ、グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマ、ドミニカ共和国から参加者を招待、最終的に50名弱の参加者を得て、標記のセミナーを行いました。基本的にはJICAが行ったバラ・デル・コロラド野生生物保護区での参加型保護区管理の経験を共有したのですが、各国における参加型保護区管理の経験も発表してもらい、それぞれの国に学ぶべき経験があることが確認できました。

今後、プロジェクト活動が進むにつれ、このような経験の共有の場を作る活動が増えてくることが予定されています。

第4回メソアメリカ保護区会議

昨年11月には、仙台で第一回アジア公園会議が開かれましたが、コスタリカでは3月18日から21日まで、第4回メソアメリカ保護区会議が開かれました。メソアメリカ地域に加え、招待国としてコロンビアとベネズエラからも参加がありました。
会議はテーマ別に8つのシンポジウムがありましたが、我々のMAPCOBIOプロジェクトからも、合計3つの口頭発表をし、また、この期間日本からミッションとして来ていた方々からもJICAのメソアメリカにおける活動とSatoyama Initiativeについての口頭発表がありました。
印象に残ったこととしては、先住民の活発な参加、麻薬密売組織による保護区への脅威、海洋保護区に関する議論の活発化、そして、我々のプロジェクトにも通ずる、「囲い込み型保護区」の限界と保護区内部・周辺住民を保護区管理に取り込んでいくことの重要さが認識されたことです。
会議の最終日には、各国の大臣によって署名された「サンホセ宣言」が発表されました。
11月にはオーストラリアで世界公園会議がありますが、コスタリカから発信できることを見定め、何らかの形で、世界との知見の共有ができればと考えています。

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セミナー1日目(2014/3/15)セミナー開会式
(写真左から:Luis Rojasプロジェクト・マネージャー、Rafael Gutierrez SINAC長官(当時)、篠崎泰昌コスタリカ支所長、大澤正喜チーフ・アドバイザー)

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セミナー2日目(2014/3/16)フィールドワーク先の統合農家から説明を聞く
(バラ・デル・コロラド野生生物保護区内、写真左:統合農家 Santiago Davila氏)

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メソアメリカ保護区会議ブースで展示・販売した統合農家の農産物(コショウ、アボガド、肥料など)