2015年4月の活動

2015年4月30日

I.プロジェクト管理面に関わる活動

(1)週例会議の実施

各郡との週例会議を開催しました。
・リベンチュカラ郡では、FFSを担当している普及員の約半分が異動していることがわかり、郡側に対応を求めています。
・ボラ郡では、郡レベルの登録の問題でバックストッパーが自由にバイクを使用できないと相談をうけたため州や県の関係者と共に、状況を打開することとしました。
・アダマ郡ではFFS実施状況を確認し、今後FFSグループから提出が必要となる雨季のプロポーザルについて確認を行いました。

(2)月例会議の実施

各郡との月例会議を開催しました。議題は次のとおりです。
(1)FFSの進捗確認
(2)5月のFFSで実施する特別講義の開催方法(2014年5月スタートのFFS)
マンゴー、アボガドの播種・移植方法、手に入る材料で灌漑道具を作成、エクスペクテーション・セッションのフォロー、苗畑期間中におけるAESAの指標
(3)5月のFFSで実施する特別講義の開催方法(2015年1月スタートのFFS)
マンゴー、アボガドの播種・移植方法、手に入る材料で灌漑道具を作成、AESAの実施方法
これらの講習では、4月に実施されたマスタートレーナー養成研修ブロック2で用いたテーマを採用しました。リベンチュカラ郡からは4人、ボラ郡から2人、アダマ郡から1人がマスタートレーナー養成研修に参加しています。リベンチュカラ郡では、月例会議ファシリテーションのために十分な郡職員の数が確保できていますが、ボラ郡、アダマ郡に関しては、担当する職員が少ないため、プロジェクトスタッフが担当せざるを得ないセッションも多くみられ、指導面での脆弱性が感じられました。

(3)四半期協議会の実施

2年次最初の四半期協議会を、4月21日に実施しました。まず、県レベルで開催される四半期会議や、郡レベルで開催される月例および週例会議にプロジェクトと関連の薄い職員が代理と称して出席してくること等があるため、会議のメンバーについて再確認しました。その上で、月例会議の参加者が増えていることから、5月以降は郡レベルのプロジェクト活動の管理を担う職員に対する月例マネージメント会議と、DAファシリテーターや農民ファシリテーターに対する月例ファシリテーター会議に分けて実施することを合意しました。
また、プロジェクトでは、現場で問題となっていることや、時期的に対応する必要がある課題について、マスタートレーナー研修の中で議論し、対応を検討していますが、今後は、各郡主導で月例ファシリテーター会議を実施し、マスタートレーナー研修の内容を適宜反映させていくことで合意しました。
モバイルモニタリングの継続について議論をしましたが、主として管理者側がその重要性を強調したため、全郡で実施を再開することとなりました。
また、今後2ヵ月間の活動予定を再確認しました。次の四半期協議会は7月に予定していますが、事前に、州、県、プロジェクトによる合同評価を行い、JICAモニタリングシートを合同でアップデートすることを確認しました。

II.能力強化に関わる活動

(1)マスタートレーナー養成研修(ToMT(注1))ブロック3の準備

次回のToMTブロック3は5月6日〜10日に実施予定です。そのためのプログラム案作り、講師招聘準備、日程調整、会場準備などを進めています。

(注1)Training of Master Trainers

III.FFS実施に関わる活動

(1)第2ラウンドFFSの実施

リベンチュカラ郡のFFSの例

4月の月例会議に普及員ファシリテーターが参加しておらず、乾季セッションの資材の配布もしていなかったDaimo村のFFSをバックストッパーと訪問しました。普及員ファシリテーターは、1月〜3月の政府による教育プログラムで不在であったことがわかりました。メンバーによると、その間もFFSメンバーは毎週決められた日時に集まり、欠席者や遅刻者からはルールに従い罰金を徴収していました。しかし乾季セッションは実施されていませんでした。
普及員ファシリテーターには月例会議での内容をバックストッパーが説明し、今後のFFS運営の方針について検討しました。FFSメンバーは女性を中心として16人が毎週欠かさず集まっており、普及員ファシリテーターも教育プログラムを修了したことから、FFSを継続し乾季セッションが追いつくよう努めることを確認しました。乾季のエンタプライズの選定やプロポーザル作成は終えているということでしたが、郡事務所側は受け取っておらず、資材も未配布であったことから、担当バックストッパーとファシリテーターでプロポーザルの内容を至急確認し、プロジェクト側も資材調達、配布の対応をすることにしました。
FFSファシリテーターの教育プログラムへの派遣は、リベンチュカラ郡では他のFFSでも起きており、FFSの運営に影響を与えています。今後はFFS活動に負の影響が生じないように、情報共有を徹底し、事前に対応策を検討させるように配慮していく必要があります。

(2)第3ラウンドFFSの実施

ボラ郡共有地での組合のFFSの例

4月初めに実施されたJCCの会議で報告のあった、メンバーセレクションが完了しておらず乾季のセッションが遅れているAruse Shibo村の組合のFFSを、日本人専門家、バックストッパー、郡の組合担当職員(注2)と共に訪問しました。このFFSが遅れている理由は大きく二つあり、まず母体となる協同組合の幹部役員が機能していなかったという組織内部の問題、そして97人登録している組合員全員がFFSに参加することを強く希望しておりメンバーセレクションを実施できなかったというFFSグループ形成上の問題がありました。前者については、訪問当日にもともと郡の組合担当職員の同席の下、役員の交代について話し合うことになっており、多数決により交代することが決まり、新しい役員が選出されました。
FFSメンバーが決まらない点については、その背景にFFSの活動イコール組合活動になるという組合の理解があり、FFSメンバーを32人に限定すると、FFSに参加できない組合員が組合から除外されることになると懸念していたことがわかりました。そこで、バックストッパーも介入して、FFSの活動内容と方法、参加しない周辺農家との情報共有の仕方などを丁寧に説明しました。1年間にFFSを32人で実施し、条件が揃えば、それ以降に2周目のFFSを実施する可能性も示唆しました。その結果、FFSメンバーを32人選ぶことに理解を示し、その日会合に参加していた42人の合意のもと、くじ引きで32人のメンバーを決め、さらにFFSの役員を選定しました。乾季の資材配布はすでに完了しているため、今後は遅れを取り戻すべく担当の普及員ファシリテーターが継続してこのFFSの運営に注力していく予定です。
この協同組合の組合員の大半は農地を所有しておらず、共有地で農作物を栽培しています。自然資源管理が目的の組合であるものの、植林などの活動経験はなく、組合自体も郡の組合担当職員もFFSの活動に大きな期待を寄せていました。

(注2)組合担当は郡の農業事務所ではなく、零細・小規模ビジネス事務所となる。

【画像】

くじでFFSメンバー決める様子

(3)AGP資金によるFFSの実施

資材の調達について遅れが出ていましたが、拠出手続きが完了し、郡の専門家により資材が購入されすべてのFFSグループに資材が供与されました。その後種子の播種が行われているか、セッションが開始されているか引き続き活動状況をモニタリングする必要があります。

IV.情報共有に関わる活動

貴機構のホームページ作成システムを活用し、プロジェクトのホームページが作成されました。定期的に更新することを予定しています。

V.その他

(1)リベンチュカラ事務所の受け渡し

リベンチュカラ郡自然資源管理部の事務所の受け渡しセレモニーを5月4日に予定しています。Handover Cetificateの内容確認、供与機材や事務所家具の購入をC/Pとともにすすめています。

(2)JICA研究所員によるFFSの視察

4月23、24日に、JICA研究所員とJICAエチオピア事務所担当者が、ボラ郡とアダマ郡のFFSを視察しました。サイトへは各郡の自然資源管理チームリーダ—やバックストッパー担当者が同行し、現場ではファシリテーターを含めて積極的な意見交換が行われました。