2015年5月の活動

2015年5月31日

I.プロジェクト管理面に関わる活動

(1)週例会議の実施

各郡との週例会議を開催しました。
・リベンチュカラ郡では、供与バイクを活用したバックストッピングが開始され、徐々にFFSの現場の様子が明らかとなってきています。異動した普及員ファシリテーターへのその後対応については、選挙活動期間中にも重なったため解決はできていませんが、引き続き郡側の対処を求めています。
・ボラ郡でも供与バイクを活用したバックストッピングが開始されました。ボラでは正規のバックストッパーが1名しかおらず、全てのFFSをモニタリングすることが困難な状態です。自然資源管理チームリーダーにもバックストッピングに行くことを依頼し、徐々に状況が改善されています。
・アダマ郡ではFFS実施状況を確認し、今後FFSグループから提出が必要となる雨季のプロポーザルについて確認を行いました。

(2)月例ファシリテーター会議の実施

各郡にて月例会議を開催した。議題は次のとおり。
(1)FFSの進捗確認
(2)雨季活動のプロポーザルやPTD(注1)デザインの書き方講座
(3)現地調達可能な農薬の作り方
(4)Exchange Visit、フィールドデイの実施方法と報告書の書き方
(5)苗木の管理方法(マルチ、フェンス、木陰作り)
これらの講習の多くは、5月に実施されたマスタートレーナー養成研修ブロック3で用いたテーマから採用し、月例会議のほとんどの講義を郡の職員が担当しました。招待状の作成や、議事次第の作成も各郡に移譲し、今月からプロジェクトスタッフはサポートとしての参加をしています。
アダマ郡においても、マスタートレーナー養成研修に参加しているチームリーダーを筆頭に、既に1年間ファシリテーターを補佐してきたDAスーパーバイザーや郡の専門家にも可能な範囲で講義を任せることとし、概ね予定通りに実施ができました。
しかしながら、当日割り振っていたバックストッパーが欠席する、リベンチュカラ郡ではDAの遅刻がひどく開始時間が予定より2時間ぐらい遅れる、日当に対する不満が出るなど運営上の課題も見られました。6月上旬に開催する月例マネジメント会議では、これらの課題を取り上げ、郡の役職者と意見交換をする予定です。

(注1)Participatory Technology Development

(3)月例マネジメント会議の実施

4月に開催された四半期会議の中で、郡の役職者を集めたマネジメント会議を開催することが決定されました。これまでは適宜ファシリテーター会議に参加してもらっていましたが、各郡によって状況の異なる課題の解決策を話し合う場が定期的に必要となり、月例マネジメント会議を実施することになりました。5月分の会議は選挙期間後に実施することとしたため、6月上旬に開催予定です。

II.能力強化に関わる活動

(1)マスタートレーナー養成研修(ToMT(注2))ブロック3の実施

ToMTブロック3は5月6日〜10日の5日間で実施しました。主講師はケニアから迎え、研修トピックにより日本人専門家もファシリテーターを務めました。参加者は合計9人で、対象郡のチームリーダーとバックストッパー7人、プロジェクトのナショナルスタッフ1人、オロミア州森林局に所属するC/P1人です。
主な研修トピックは以下のとおりです。
1日目:FFS運営(バックストッピングとモニタリングの違い、モバイルモニタリングの再開)
2日目:FFSバックストッピング(ボラ郡Jirme Bora村、ケニアからの見学者と同行)
3日目:FFS運営(ホストファームの選定と課題、PTDデザインの書き方)
    野外演習:野菜作りのためのPTD作成、伝統的な害虫予防法
4日目:FFS運営(FTC-FFSでWoodlotの導入をすすめるためには、
    農地でWoodlotをすすめるためには)
    雨季のエンタープライズのカタログ作成
5日目:FFS運営(プロポーザル作成時のガイドラインとよくある間違い、フォーマットの改定)
    共有地での土壌と水保全
    FFS運営(5月月例会議の計画策定)

・これまで担当者によって、モニタリングとバックストッピングを混同していましたが、バックストッピングを実施する以上、メンバーやファシリテーターは同席し、改善のためのアドバイスを行い、アドバイスした内容の記録をセッションチェックリストに記載することで同意しました。
・FFSグループが学習エンタープライズとしてWoodlotを選択することが希な理由を議論して、その対策を考えるとともに、農民が農地で木を植えるための課題や条件、農民研修センター(FTC)でWoodlotの導入を進めるための具体的な方策などを改めて議論しました。FTCでのWoodlot導入のためには、ToMTで抽出されたアイデアをもとにガイドライン案を作成し、6月に開催される月例マネジメント会議の場で、各郡の関係者と話し合いをすすめることとなりました。
・先月から引き続きToMTで議論された内容から、特にファシリテーターに技術インプットが必要なテーマを洗い出し、5月の月例会議のアジェンダ案を作成しました。また実施スケジュールも各郡から提案してもらった日程に合わせて行うこととしました。

(注2)Training of Master Trainers

III.FFS実施に関わる活動

(1)第2ラウンド、第3ラウンドFFSの実施

ラウンドの違いにかかわらず、播種を終え順調にAESAを実施しているグループと、そうでないグループで差が出ています。特に第2ラウンドFFSは雨期から活動を開始しているため、乾期に入り水源の問題に直面し、ホストファームを変更したグループは、1からラーニングサイトの建設が必要となり遅れが生じているグループがいくつか見られました。
「I. プロジェクト管理面に関わる活動」で挙げたように、普及員ファシリテーターが異動となり、FFSファシリテーションが長きにわたり滞っているケースも報告されています。ただ、そのような状況でも、ファシリテーター不在の中、10回以上セッションを実施しているFFSも確認できた。また、5月24日に実施された選挙のために多くの普及員は村レベルで選挙活動に従事しなくてはならず、ここ1ヵ月ぐらいは継続的にFFSのファシリテーションを行うことが難しい状況となっていました。ファシリテーターの問題は早急に解決し、雨期の活動へと継続していく予定にしています。
6月にはフィールドデイとExchange Visitを予定していますが、5月中旬の段階でAESAを2回以上実施しているFFSグループはコミュニティーに活動成果を発表するフィールドデイを、その段階まで至っていないFFSグループは相互訪問をして、他のグループからFFS運営方法学ぶことを推奨しています。

(2)AGPの研修でのプロジェクトの広報活動の実施

AGPのリベンチュカラ郡のフォーカルパーソンを通じて、プロジェクト紹介をさせてもらう場を画策していたところ、5月15日にデブラゼイトにてオロミア州の全AGP対象郡の関係者が参加するトレーニングの一コマとしてプロジェクト内容の発表を行うことができました。AGPオロミア州フォーカルパーソンは、現場視察へ興味を持っているようなので、適切な時期に現場への受け入れを企画していきます。

IV.情報共有に関わる活動

JICAのホームページ作成システムを活用し、プロジェクトのホームページが作成された。定期的に更新することを予定している。

V.その他

(1)リベンチュカラ事務所の受け渡し

リベンチュカラ郡自然資源管理部の事務所の受け渡しの式典を5月4日に実施しました。エチオピア事務所から木村次長と佐宗企画調査員が、オロミア農業局よりアベベ氏が参加し、滞りなく受け渡しが完了しました。プロジェクトの週例会議の際に活用している他、郡の会議室としても活用されています。これまで保管場所がなくプロジェクトが代理で保管していた全てのFFSの記録ファイルもすべて郡側に供与され適切に管理されるようになりました。

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供与された事務所とバイク

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木村次長とアベベ氏による祝いのパンへの入刀

(2)ケニアからの視察受け入れ

5月2日〜10日までケニア森林公社(Kenya Forest Srvice)所属の8人の管理職がエチオピア視察を行いました。そのうち5月6日〜9日までは本プロジェクトで受け入れを行い、FFSサイトの訪問時の便宜供与を行いました。視察者の多くはFFS経験も豊富なため、サイト訪問時には意見交換などを活発に行うことができました。